「灰色部分は黒じゃないから堂々と歩きまわっていいんだ」でいいのかな

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是も先日からの【15歳ドローン問題と「囲い」と真の加害者と】に合わせて、いくつか寄せられた、あるいは語られているお話の中で色々ともやもや感が頭にあった話。直接、即決でクロと判定できるようなものではないから何をやっても構わないという語りがちらほらとあり、定期的に挙がってくる表現問題と似たような香りがあるなあ、ということで、ちょっとつれづれなるままに。しばらく前に挙げた「空気を読むということ」にも近しいものがあるかもしれない。


すべてを包括できるようなガッツリとした法規制を明文化してしまうと、社会そのものが非常にぎこちないものとなってしまうし副作用も大きくなる。それを防ぐためにある程度のゆるやかな規制とグレー的なエリアを設ける手口ってのが結構ある。社会そのものは線引きをしたその先にあるものも、ある程度は取り込めるような余力、保険的な許容力を持っている。でも原則はその線引きをした部分までなので、それに従っている限りは社会は安定感を維持できる。まぁ、ちょっとぐらいはその線引きの外の、グレー部分からの取り込みもなんとかなるかなあ、という。

ただそれが日常茶飯事的なものとなったり、次から次へと線を超える事案が出てくると、社会の許容量、余力はオーバーフローを起こしてしまう。具体例で挙げているつまみ食いなどと同じ。

相手方の、直接目には見えないけれど、その向こうにある意図を読んで自分を慎む。その辺を理解できず、あるいは理解しても知らないふりをする、自己利益の最大化を最優先事項としてしまう、そしてそのような所業を賛美する。まぁ、短期的にはその行為を成した人の成果が出るのだから評価されても当然なんだけど、結局全体的には損をしてしまうことになる。

今件のドローンの件にしても直接、即効で対応する法規制が無いから無罪だとする意見もあるけれど、そのような意見が出る、抜け穴が体現化されたことで、その穴を埋めるだけでなく、しっかりと穴が再び開かないように周囲までみっちりと固定化するような規制がかけられてしまうことになる。少数の「俺様の短期的利益」が「多数の中長期的利益」を収奪するという構図でもあるんじゃないかな。

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この記事について

このページは、不破雷蔵が2015年5月23日 07:39に書いた記事です。

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