トンデモやデマに対してきちんと声明を発表しないと良くないと思う。医学会はまずいんじゃないか?たとえば癌治療学会は近藤誠に対してだんまりだし、精神科の学会はサイエントロジーに対して対策を持っているように思えないし、反ワクチンに対して感染症学会はどうしているのかわからないし。
— フロッガー (@drfrogger) 2015, 5月 24
しんどいしアカデミックな仕事でもないけれど、間違った情報を持つ患者は確実に増えているように思うし、学会としてトンデモさんたちの意見に対してきちんとした声明を発表しなければならないよ。下手したら病名をググるとトンデモ医療が上にリストアップされてくるんだから。
— フロッガー (@drfrogger) 2015, 5月 24
これは先日、検索エンジンの精度の悪化に絡んでいくつかの方面でも指摘されていた話ではあるのだけど。そして当方も何度となく指摘している話ではあるのだけど。科学的な分野は特に、トンデモ系やデマ系の話、論説、主張について、一定以上の影響力が生じてしまっているものについては、相応の声明を出しておく必要があるのではとの指摘。具体的な事案は例示されている通りもので、これはほんのわずかな一例に過ぎない。EM菌やら江戸しぐさなんてのも同様かな。
声明を出す部局、専門学会がどこに属するのかっていう仕切り分けも微妙なところがあるし、ある程度明確化している対象でも反応を示さないのは、「面倒なことはしたくない」「否定声明をすると一層相手に権威が盛られてしまう、話題に登ってしまう」「『自分達は多数派から糾弾されている』との判官びいき的な印象が相手に与えられてしまう」などの理由があるのかもしれない。さらには【「嘘をつくのは低コスト、嘘を検証するのは高コスト」非対称性の宇宙大原則】でも指摘している通り、その類の偽情報を潰せたとしても、得られるものはほんのわずかでしかなく、コストばかりがかかってしまう。くたびれ儲けの骨折り損。
ただ昔はそれでも良かったけれど、今は情報の流通の仕組みが変わってしまっている。指摘の通りインターネット上で情報は蓄積され複写され増殖していく。そしてトンデモ系、デマ系のネタは概してセンセーショナルなので広がりやすい。結果として特定のキーワードで検索をした情報初心者に対し、トンデモ・デマ系の情報が上位表示されてしまう。検索エンジンの検索結果はあくまでもより注目を集めている、多方面から参照されているってのが現時点では重要視されているポイントで、正しいものほど、確証性の高い情報ほど上位に表示されるわけではないのだけど。検索する人のほとんどは「上位表示されてるから正しい情報なんだな」と思ってしまう。
「インターネットの情報世界では間違った情報は自然に正しい情報によって淘汰される」との説もある。しかしそれはケースバイケースで、ワクチン的存在の正しい情報が、ウイルス的存在の間違った情報よりも強い力を持つ、量的にも多いものであるのが前提となる。その際、ワクチンのベースとなる、後押しをしてくれるのが、各権威ある学会の正式な指摘、声明。それがあればそれを用いてワクチン的な情報が作られ、ウイルス的な情報を叩くことが可能になる。ワクチンとなる情報一つ一つがゼロから情報を収集してウイルスに対抗するのは、非常に効率が悪い。
検索エンジンがもう少しまともな仕事をしてくれれば、この辺りの話は状況の改善も早いのだけど......悪質系まとめサイトやアンテナサイトがいまだに上位表示されるどころか、ニューストピックスとして抽出されるほどだからねえ。
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