チョコレートがダイエットに効くって話、釣り報道だった

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そういやちょっと前にチョコレートでダイエット的な話が広まったような気もしたなあ、その時はさらに結構前に流行った、カカオ99%だかのチョコレートブームを思いおこさせたような気が云々ってのを記憶の中からサルベージしながら。一連の「チョコレートを食べるとダイエットになるよ」的な話は、いわゆる確信犯的な(本来の意味と、世間一般に広まっている意味との双方かな、この場合)釣り事案だったという次第。

この類の話は過去から結構あるもので、社会実験やら実証実験やらシステムへの警告というお題目が掲げられることも多いし、実際上記まとめのコメントにも痛快だの警鐘だの皮肉だのという賛美的な意見も数多く見受けられる。本人もそれを意図していたのだろうし、実験的には大成功というところか。過去にも似たような「実験」をしたとの話もある。

一方で。

のせられた側はどこまでのせた側が意図した警告を活かすかと考えると、こちらは悲観的な判断をせざるを得ない。誤報周りの通知の話は耳にしないし、仮にこの類の誤報の訂正が語られたとしても、誤報以上の告知が成されることも無い。何らかの処分が下されることもない。日本のメディアで取り上げられたとされるバイラルメディアやらにいたっては、速報性が第一だから、そんなの知ったこっちゃない。

また、「実験」をした側も問題が無いとは言えない。今回は社会実験だから、世の中の仕組みの実態を調べるためのものだからとの大義名分があるけれど、それと悪質な悪戯との境界線はどこにあるのだろう。そしてその境界線があったとして、その確からしさは誰が保証するのだろう。これが「実験だからセーフ」として認められてしまうと、誰もかれもが同じようなことをやってしまうという可能性はゼロとはいえないし、より確かな「目立つ」という効果を得るために、少しずつ見えない境界線は広げられてしまわないだろうか。

その辺りまで考えると、以前触れた「本物の決定的瞬間と、それを模した広告的映像の違い」とか、ユーチューバーらによる創り的な動画の氾濫による事実と創作の境目の曖昧さと合わせ、単に「のせられたメディアが悪い」「釣り論文実験は大成功だね」と断じるのは少々早計に過ぎないかな、という気はする。

なにしろこれが全部OKってのなら、都合の良い釣り的、インパクトのある論文を片っぱしから引っ張り上げてきて(あるいはでっち上げてでもいいな)どかどか伝えて世の中に浸透させ、ばれたら「社会的実験でした、てへぺろ」で頭を下げたふりをする。ばれなきゃ丸儲け、なんてことにならないかな。【「嘘をつくのは低コスト、嘘を検証するのは高コスト」非対称性の宇宙大原則】もあるので、検証すること自体ハードルが高いのだから。

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このページは、不破雷蔵が2015年5月30日 08:38に書いた記事です。

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