「1/4200の確率で衛星の破片が人を直撃」恐怖感をあおる報道はもう止めようよ

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2015年4月に役目を終えた熱帯降雨観測衛星「TRMM」。NASA(アメリカ航空宇宙局)は、この衛星が16日、大気圏に突入する見通しで、その際、燃え残った部品が日本に落ちてくるリスクがあることを明らかにした。


燃え残った部品が人にあたる可能性は4,200分の1としているが、注意が必要となる。


......ということで先日ネット上をちょいと騒がせた、役目を終えた衛星の地上への落下。しかもその衛星の破片が人体を直撃する可能性が1/4200と報道されたので、やべえ的な感じに。

いや、でも1/4200って確率なら大騒ぎになってないか? まあ実際には実害も無く終わったようだけど。

Rainfall Spacecraft Debris to Re-enter Over Tropics http://t.co/Npgi6dT6bu pic.twitter.com/Z6lANscu2Y

— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 6月 16
NASA's Orbital Debris Program Office estimates 12 components of the TRMM spacecraft could survive reentry. The chance that one of these pieces would strike someone is approximately 1 in 4,200, which is a relatively low chance.

で、該当するNASAのプレスリリースはこんな感じ。破片は12個に分散されて地表に落ちる可能性がある。そして1/4200ってのは、世界全体の一人一人それぞれに1/4200ってわけではなく、誰か一人にぶつかる可能性が1/4200ってところ。

つまり総人口71.25億人に対し、そのうち誰か一人がストライクを受けるのが1/4200。なので特定の一人に当たる可能性は71.25億×4200=29兆9250億分の1。恐らくは落ちる破片の地表に落ちた時の面積と、地球の面上、あるいは落下可能性のある地域の面積とか、人間一人あたりの面積とを兼ね合わせて計算しているんだろう。実際には地下に居たり建物の中にいる場合もあるので、確率はさらに下がる。

まぁ、リリースに書いてあったからそのまま書いただけだという言い訳もあるんだろうけど。驚かせて注目を集めればそれで勝ちってのは、やっちゃいけない手法なんだよね。特に報道周りにおいては、さ。

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このページは、不破雷蔵が2015年6月17日 06:23に書いた記事です。

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