アメリカ在住の中国人留学生が「天安門事件」の真実を知ったとして中国政府をネット上で批判。
それに対して中国共産党機関紙の『環球時報』が以下のように反論。
「昔のことを持ち出して現在を乱すのは意味がない」 pic.twitter.com/wwDxmHJwSE
— ハイポセシス (@hypothesis33) 2015, 5月 28
先日出回ってきたツイートの一つ。新聞の切り抜きであることは分かるのだけど、この類のって、周辺部分まで映し出されていないし、日付もはっきりしない。26日・27日の言及はあるけれど、いつの月で果たして今年のものなのか、そして掲載紙はどこなのか。さらに高度なコラージュ技術を使ったフェイクネタかもしれない。昔はともかく今では、一次ソースが無ければ、この類の話ですら「そうかあ、そうなんだ」と首を立てに振るわけにはいかない。
一方で、内容そのものは興味深い。中国共産党機関紙の「環球時報」の報である以上、それは多かれ少なかれ党の意向が反映されている。そして中国は事実上、共産党の一党独裁による独裁国家に他ならない。党全体の意向か否かは別として、党の見解としての論説には違いない。
見方を変えると、グレーゾーンぎりぎりであることを認識した上でも、火消をしなければならないようなネタが、対象の天安門事件であり、それを指摘した留学生の公開書簡だったといえる。
「昔のことを持ち出して現在を乱すのは意味がない」天安門事件、共産党系新聞が異例の言及 社説で党を擁護。TL上の画像は朝日新聞の5/28付ですね http://t.co/1MB5n2en2z pic.twitter.com/5pYlYLtp7t
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 5月 29
で、結論から言えばあの新聞の切り抜きはフェイクでも何でもなく、実体のもの。2015年5月28日付の朝日新聞に掲載されたもので......えーと、ウェブ上が28日夜半だから、28日の朝刊か夕刊かな。
「昔のことを持ち出して現在を乱すのは意味がない」。ケースバイケースではあるけれど、一つの考え方に違いない。そしてこれを中国サイドが歴史問題に絡めて説明として語ったのには大きな意味がある。他の状況でこの言とはまったく逆の意図を呈するのであれば、結局都合の良い時に都合の良い主張を持ち出すだけではないか、ということになるし、ね。
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