高齢者の横断違反による交通事故が多い、その理由を考えてみる

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先日の【子供の飛び出し事故の実情をグラフ化してみる】の記事を展開する際に用いた交通事故総合分析センターのデータ。有料部分には携帯電話利用事案の項目があって「このデータならもしかして『携帯電話を操作しながらの自動車や自転車の運転は事故リスクが高まる』という具体的なデータが得られるのでは」と思いながらも有料部分なので精査が出来ずもやもやしたり、解説部分がちょいと弱かったかな、第一当事者による飛び出し事故のすべてが保護者同伴の上でとは限らないから、飛び出し事案がこれだけ多いのだから子供は突拍子もない行動をしがちで、だからこそ保護者がそばにいてもブラウン運動的な動きをしがちだから、リードを云々ともうワンクッション解説を加えるべきだったとか。

で、そのデータの精査の差に気が付いたのが、高齢層の第一当事者による交通事故の内容における特異状況。飛び出しは流石に少ないんだけど、道路の無理な横断や信号無視がやたらと多い。これ、死亡事故に係わる警察庁のデータでも同じような結果が出ていたんだよね。さすがに該当資料ではその理由までは無かったけれど......。


元々何をするにも一定量のリソースは必要だれど、子供の場合は絶対量が少ないので、興味のあるものにどーんとリソースを振ってしまうと、他の注意事項にまで回らなくなり、飛び出しなどをしてしまう。それと同じようなことが高齢者にも起きているのでは、との考え。これは一理ある。


一方で、安全策を取ることで生じる余計なリソースの消費や面倒くささより、ショートカットしたことによるリスクの方がまだマシと考えてしまうとの指摘もある。つまり「危ないとは分かっているけど、面倒だし、危険なことがあっても自分は交通弱者だから相手が対応してくれるさ」というもの。これは当事者に確認してみないと、あるいは確認をしても深層心理部分での思惑である以上答えてくれない可能性は高いけど、十分ありうる。

先日も中堅層と高齢層の親子的な二人組が道を渡ろうとしていた際に、中堅層側が車の往来があり慎重に待っていたのに、高齢層側がすたすたと道を横断し始めた状況を見ただけに、納得も行く(当方は道の反対側にいた)。「え、あの距離まで車が来てるのに!?」という感じだったけど、結局車が減速して事なきを得た次第。

譲り合いとか、リスクの極限化とか歩行者優先って原則は分かるけど、人の好意に近い状況を盾にとり、それを前提に行動されると、色々とひずみが生じてきそうな気がしてならない。


いくつかの県警ではこんな感じで概要を解説しているところもある。いくつか見渡すと、ああ、やっぱりね......というのもあったりする。もっと探せば統計的な論文も見つかるかな。

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このページは、不破雷蔵が2015年6月 8日 07:29に書いた記事です。

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