非正規、特に派遣問題と法改正、そして解説の曖昧さと違和感

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上記にもある通り先日、それこそ民主主義の危機的な状況をしでかした事案まで確認された、派遣法改正案。色々とニュースは入っているんだけど、派遣法周りの解説は、本来その筋の専門職であるべき人たちが感情論に走っていたり、危機感を過剰に煽っていたり、まず否定ありきで解説しているので、読む気にならない、なれないのだよね。あれでは陰謀論と何ら変わりがない......というより、一部には陰謀論に等しい推定の積み重ねもある始末。

加えるなら、それらの「まず否定ありき」の解説には、かつて「派遣村」を大々的にアピールして、世論を煽動した、中立的な分析や解析ですら石つぶてを投げたり声高に恫喝して押さえつけたような、あの時と同じ香りが多分にする。

他方、一次ソースは読むのに難儀するのに加え、元々そちらの経歴が浅いので、費用対効果、というか時間を投入しても理解できる(他人に分かりやすく解説できるよう納得して習得できる)か否か定かでないので、現時点では改正法そのものには距離をおいている。でもどうもやはり、声高に反対している意見には対しては、胡散臭さは否めない。悪しき意味でのプロパガンダの雰囲気が強い。デジャブを覚える。上のような話もあるし。


で、先ほど本家サイトで挙げた【派遣の男性4割強・女性の3割強は「正規が無いので仕方なく」...詳細就業形態別「なぜ非正規社員として働くのか? その理由を尋ねてみた」(2015年)(最新)】も合わせ、いくつか資料を再構築したり整理してみた。また、非正規問題そのものは、いくつかの法改正も一因ではあるけれど、その法改正がなぜなされたのかも精査する必要はあるし、さらにいえばその法改正云々とは別に、産業構造の変化、具体的には第一次・第二次から第三次・第四次(ソフトウェア産業や情報通信産業や技術開発など)への就業リソースのシフトも大きな要因。特に第三次産業は閑散期と繁盛期の差が大きく、非正規の労働需要も相応に大きなものとなるのだよね。


この指摘でふと感じたんだけど。改正法の解釈周りはさておくとして(上にある通り自分では納得のいくような解説がなされているところが見つからない)、その周辺で連動する形で持ち上げられている話とか、法改正によってこうなっちゃうんだよ的な内容って、本来なら派遣だろうと正規だろうと「就労して相応の対価が得られるように」つまり「今の派遣では対価が少ないので多くして」との条件闘争にすべきなんだよね。でも見聞きしている限りでは、「派遣はダメ、正社員は良し」といった形で、派遣そのものを存在から否定して、派遣対正規、さらには非正規対正規といった階級闘争にすり替えられている。

まぁ、条件闘争よりも階級闘争の方が分かりやすいし煽りやすい。主張ツールとして使う側には便利なんだろうけどさ。

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このページは、不破雷蔵が2015年6月14日 07:52に書いた記事です。

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