ゲームなどで使われる絵の作家に直接クレームを入れるのはいかがなものか

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具体的対象名の抽出はひかえるけれど、不特定多数の人がプレイするゲームの絵、ビジュアルを担当する人に、とりわけツイッター経由で直接クレームを入れて、修正を求める事案が相次いでいる。中にはそれがきっかけで実際に修正がなされたケースがあり、それがさらに事態に拍車をかけている感はある。

けれど上記で指摘の通り、基本的な権限は絵を描いた人では無く、その商品を取り扱う会社側にある。その仕組みが理解できていれば、一連のような動きはないはず......なんだけと、それが理解できない、理解していても自分の欲求が上回ってしまう人が一定数いるから、昨今のような事態になるのだろうな。


これはブログや掲示板での実名表記、さらにはソーシャルメディアの展開と、個人同士のつながりのハードルが低くなるに連れて顕著化、肥大化している雰囲気があるのだけど、一定以上の一般人の領域を超えた、クレームをつけることを生き甲斐としている、使命と感じている人がいる。ブログでも掲示板でもその類の人は存在しえるのだけど、ソーシャルメディアはその存在を肥大させ、周囲に感染させる傾向がある。

やはり「基本はスルー」が一番なのかもしれないな。


今件は結局、「商業作品で絵の担当をしている人に直接『僕の考えた最強の改善点』をドヤ顔で声高に叫んで修正を求める」と表現でき、ツイッターでは特に気軽に当事者へアプローチできる長所が悪用された形になってるのだろうな、と思う。それはまるで、隣に住んでいて、いつも作品を見せてもらっている漫画家希望の大学生に向けた、意見具申と同じ感覚で。今風にいえばLINEで知り合いにため口で語るように。

ツイッターでの「@」付きツイートは、【ツイッターでの「@」付きツイートは、その人の家のポストに投げ込むチラシのようなもの】でも触れたけど、距離感の曖昧さ、希薄さで錯誤が生じているのか、LINEなどと同じような距離感や礼儀を覚えてそのまま他でも使っているのかもしれない。

受け手側はそのような「ノイズ」は無視するかブロックすれば良いのだけど、ポストへのチラシの投函と異なり、「『僕の考えた最強の改善点』な意見具申」が不特定多数の第三者にも参照され、それを受け手側が無視しているか否かは分からない、つまり聞き耳を立てていると誤解され、連鎖を呼ぶ可能性があるのが問題なのかなあ、と。くわえて、気軽に公式リツイートされて、その声は増幅される。その上、悪質系まとめサイトやネイバーまとめも明らかに加担している、と。

あまりこの類の話が続くと、作家先生がソーシャルメディアから離れたり、使っていても単なる情報発信のみに専念したり、まったく別名義で使うようになり、有意義な使い方をしてほしい、したいと考えている先生自身はもちろん、多くのファンなどにもマイナスとなってしまうんだよねえ。

......もっともこの類の問題でお痛をする当事者は、そんな他人のことなど知ったこっちゃないとの考えで占められているので、警告の類は意味を成さないのだけれど。

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この記事について

このページは、不破雷蔵が2015年6月16日 07:44に書いた記事です。

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