「(暴力は)二度としないと約束していただきたい」「強行採決しないと約束せずに責められても困る」

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先日の国会内での政党単位による、あるいは政党内部の一グループによる計画的暴行事件。携帯電話の盗難騒ぎは今のところ、当事者の手元から無くなっていて当事者が足を踏み入れていない場所から見つかっただけであり、(関係者の)自作自演や他の人が乱闘騒ぎの後に落ちているのを拾い、興味が無くなったので打ち捨てた可能性もあるので、何とも言えないけれど(但し場所柄からして、落ちている携帯を拾った後に自販機の下に投げ捨てるってのは、あまりにも雑すぎる)。まぁ、例の計画書の類に「携帯の奪取」とかあれば話は別だけど、その類のは聞かない。

これについて先日、該当する政党の大手幹部が相次ぎ、容認する発言を繰り返して少々あ然としたのだけれど。こんな話が国会中継をレポートしている記者から流れてきて、ちょいと目を疑った次第。一応アカウントを確認してその正確性を検証して、聞き間違いの類やフェイクリスクを勘案し、ほぼ間違いないだろう......というか、同時期に他のアカウントも同じ内容を言及しているので、それこそ組織的なデマ散布の意志が無い限り、有り得ない。


公的な議事録が上がってくればそれを精査した話がまた持ち上がってくるのだろうけど、動画でちらりと眺め読みした限りでは言及されている内容は確かに語られている(途中に色々挟まっているけれど、それぞれの応対は一対のもの)。

暴力行為と強行採決はそもそも別次元の問題。前者は法的ベースの話で(不逮捕特権はあくまでも期間中は逮捕されないというものであり、法令を無視して何をしても良いという意味では無い)、後者は政治様式の話。比較する対象を同一レベルのものと誤認させて、対等の取引のように見せかける、詭弁の基本中の基本でしかない。さらに強行採決の意味合いは、2009年秋からの3年半と、それ以前・それ以降とは実体的に大きく異なるもので、「その『強行採決』とは、かつてあなた方がなさったようなものと判断してよろしいのですね」としてしまえば、3年半の間に行われた類の動きはほとんど無しえないのだから、ぐうの音も出なくなる。もっとも主張した岡田氏にしてみれば、「自分達が賛成しなければ強行採決」的な認識なのだろうけど。

これって例えるなら、「僕は確かにおやつのプリンを弟や妹の分まで食べて、反発した弟を殴った。でも二度とやらないと約束させるのなら、僕を空腹にさせないと約束するか? それなしで僕だけを責めても困る」とか「無銭飲食は二度としないと約束していただきたい」『俺が気に食わない味の料理を出さないと約束せずに責められても困る』とか「万引きは二度としないと約束していただきたい」『俺が気に食わない本を入荷しないと約束せずに責められても困る』といった形の話で、そもそも交渉としての話がかみ合わない問題なんだよね。

また見方を変えると一連の岡田氏の発言は「自分が『公平な議会運営が確保できていない』と判断したら、また暴力振るうよ? 振るいかねないよ? いいんだね?」と脅しをかけているのと同じになる。それをしてはいけないのは、法的なレベルの問題でしかない。

党代表が院内での暴力行為を肯定ってのも、歴史的事件な気がするのだけど、どうだろう。

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このページは、不破雷蔵が2015年6月18日 07:11に書いた記事です。

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