ネットは便利な情報検索ツールで山ほどの情報が手に入るようになったけど、それがすべてじゃない

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インターネットは少なくとも情報の集積、検索、そして発信の観点で、従来のメディアとはけた違いの効用を発揮し、情報にまつわる人々の考え方、行動様式は大きな変化を示すこととなった。独占産業が汎用化され、常識が非常識となり、あらたなルールと市場と観念が構築されていく。それは間違いない。

一方で、ネット上にある情報がすべてではないのもまた事実。まだアナログベースの情報のデジタルへの移行・転送が十分ではないからね。ネットが展開される前の情報のシフトが往々にして進まないのは、主にコストの問題であることは、例えば昔の蔵書の電子書籍化が進んでいないことを思い返せば、容易に想像はできる。

だからネット上の情報は従来のアナログ式の手法と比べると量的には多くなったことに違いは無く、取得の際のリソースも少なくて済んだけれど、それがすべてでは無い。その点を忘れて、あるいは認識せずに、物事の道理を考えてしまうと、色々と不具合が生じてしまう。これは例えば官公庁などが実施している公的な調査結果において、調査開始は随分と前なのに、ネット上の......例えばe-Stat上に掲載されているのはほんの数年分しかなかったりするのが結構あるので良くわかる。データが無いわけじゃない。コンバートするためのリソースが足りないので、優先順位的に後回しされているだけの話。


だから、ネットでの情報取得と利用は大いに行うべきではあるのだけど、それが結局ツールの一つでしかないってことを覚えおく必要はある。宗教の経典としてはダメってことだな。無論逆もまた同様で、現場の、リアルの声が必要だからといって、特定箇所のリアルのみを全体の事実としてとらえてしまうのも問題だけれど(人の行動力には限界があるので、現場の声を取得するとなると、どうしても一定量の限られたものだけとなる。そこから全体像を見渡すためには、相応の判断材料を他から求め、さらに精査する能力が必要になる。あとは、一歩引いて観れるだけの俯瞰的思考)。

加えて指摘の通り、本で販売しても需要がありそうな情報ってのは、ネット上には無料では載せない。紙媒体など別の媒体にするか、あるいはネット上にしても有料で展開する。公的機関なら話は別だけどね。この辺も結構難しい話ではある。

ちなみに当方の場合、容易に第三者が再検証できるようにとの前提を基本軸としているので、記事を書いたり検証する場合にはその素材としては、ネット上で容易に取得出来るもの、例外的にネット以外のものでも、誰もが容易に調達可能な金額のものに限ったものとしている。ある意味「自分ができるのはここまでですよ」と割り切ってるってところかな。

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このページは、不破雷蔵が2015年6月23日 07:23に書いた記事です。

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