資料のネットアーカイブ化の利点と弱点と

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先日もちょいとばかり触れた、デジタル化された資料と、物理的存在のままの資料の違いを、今度はメリットの観点から見てみたら、という話。デジタルアーカイブ化されても有料公開とか一部のみ閲覧可能ってのも結構あるけれど、大よそハードルを超えれば閲覧することは可能となる。ところが物理的資料の場合は、そこまで足を運ぶか、実際に調達しなければならない。当たり前っちゃ当たり前なんだけど、デジタルの資料が流通しつつある昨今では、相対的に見て不便さを覚えるのも否めない。

また指摘にある通り、物理的な損失も避けられる。


さらに上記の通り、人のさまざまな欲望や無知による、本来ならば想定しがたい状況における資料の喪失もありうる。日本でもちょいと前の数年前、国を挙げて似たようなことを推し進めていた集団がいたからねえ。焚書坑儒に等しい所業。

一方、上記ではあまり語られていないけれど、デジタル化万歳、物理資料は滅びるべしって話でも無い。デジタルはデジタルで問題も多い。デジタルデータを保存しておく媒体も代替わりが激しく、そのメディアシフトの際の作業を怠ると、「この中にデータは入っているのだけと取り出せない」的な状態が起きうる。さらにはメディアそのものが劣化して、データが棄損してしまったという話も。クラウドデータ化したら漏えいしたり、吹き飛んだりするのは、結局物理的な資料とリスクの上では何ら変わりない。ただ、対処方法が取りやすいだけの話。

また容易に複写、編集が可能ってことは、改ざんされるリスクも高いことを意味する。コラージュされたり一部のみを抽出されたり、意図の違う資料として再保存され上書きされたり、さらには原典や由来などが分からず一部分だけが独り歩きしたり。その点では原本そのものを足し引きすることなくアーカイブしておいて、何かあったらそのマスターデータと比較できるような仕組みが必要なんだろうな。イメージとしては、そうだな、インターネットアーカイブ(Wayback Machine)みたいなものかな。

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このページは、不破雷蔵が2015年6月25日 07:44に書いた記事です。

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