ギリシャディフォルトに絡んだ覚え書き

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ギリシャの事案は個人的には2年前のキプロスショックと同程度、あるいはそれに倍する位で済むのかなあ、という感はある。元々こうなるであろうことは多かれ少なかれ誰もが想定していたことではある。

で、その問題の大きな要因の一つが年金問題。負債の多くを占める年金支払いをどうするかってのが、手当てがつかない次第。自前でまかなうためのリソースそのものが足りないのだから、払わないようにするのか、どこか別のところから持ってくるしかない。空からお金は降って来ない。それに近いのが経済の復調で、湧水のようにお金が自国からわいてくるのをすくい上げる方法なのだけど、それと逆の施策を強要したのが、貸し手側のEUの主要国。特に緊縮財政を掲げたドイツ......という話。

まぁ実際にはそれほど単純な話ではないのだけど。年金周りにしても、確かに切り下げは消費減退と国内混乱を招くだけではあるのだけど、国内の実情を無視した配分は、破たんにしかつながらない。毎日アイスを食べないと勉強に身が入らないから成績が下がるとする子供に対し、毎日ハーゲンダッツのアイスを三つも四つも与えるのはどうなのだろうか、的な。そのバランスというか見極めが難しい。


ドイツに関してはここ数年の金融危機、欧州債務危機、とりわけスペインやギリシャの問題を受けてユーロ安になったのを活かし、輸出を活性化させ、恩恵を受けた面がある。まぁ、上手く表現して活用した、意地悪な表現なら悪用したとでもなるのだろうか。ユーロ圏は単に通貨の共有化だけの存在だったのか、それを通じて経済的な統合・国家的な一体化を推し進め、危ない地域には裕福な地域が手を差し伸べるための手段だったのか。その見極めが曖昧なまま、美味しいところを吸って吐き出しが十分でなかったため、吸われた側のギリシャがアレな感じになった感も強い。

中途半端な説明で云々ってのは、日本国国債の話と通じるところもあり、日本の報道の罪深さというか奥深さを再確認させられる次第ではある。まあ、あれだ。主要因が緊縮財政にあると伝えてしまうと、色々とマズイところもあるのかもしれない(棒読み)

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このページは、不破雷蔵が2015年6月30日 07:59に書いた記事です。

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