インディーゲーム開発会社のsteam返金制度に関するショッキングなレポート http://t.co/YeAUj8b1lv
「返金制度が始まってから売上げがほぼ0になった」グラフ pic.twitter.com/ZCA08Z9Png
— でくのぼう (@T_decoy) 2015, 6月 7
SteamとはアメリカのValveが展開している、パソコン向けゲームのダウンロードによる販売ポータルサイト。単に購入するだけでなく、最新情報のニュースや各種アップデート、拡張パッチの導入なども行えるため、まさに総合ゲームコミュニティとしての体裁を有しつつある。まぁ個々のゲームの公式サイトとコミュニティの包括的な集約場みたいなもの。で、ゲームを提供する側も企業だけでなくインディ的なものまでOK。
で、そのSteamにおける購入システムに変更があったのが先週。これまでは原則返金不可だったのが、購入から2週間以内かつプレイ時間が2時間以内なら、理由を問わずに返金が成される形になった。要は「購入して内容的にハズレだったとしても仕方がない」だったのが、「イヤなら返品できる」「2週間以内なら最初の2時間分のプレーはお試し、その時点で面白くければ全額お返し」的な形に。
物理的な商品でも「美味しくなければ全額返金」ってシステムがたまにある。インターネット系コンテンツでも見かける。けれどこれらは手続きが色々と面倒で、しかも前者の場合は物品のやり取りもあるため、返金手続きのハードルが高くなり、よほどのことでない限り、返金はされないという目論見があるし、実際都の通りだった。
でも今件ではそれらのハードルが無い。Steam側では「無料お試しの仕組みでは無い」として、悪用していると判断されたら返金がなされないこともある......ようだけど、実際にはそのような判断はあまり無いようだ。結果として、上とか
各メーカー、どうやってこの状況に最適化していくんだろうねえ。
パッと思いつくのは「2時間以上遊ばないと醍醐味を味わえない設計」だが、
コレはコレで2時間前に見限られるリスクがある。 Steamの返金制度がインディー開発者に致命的な損害を与えている可能性...「価格に応じた返金可能時間の設定を」
http://t.co/wopP3s1EF0 "多くのゲーマーが返金制度をゲームの無料テストとして利用し、Steamはその濫用を取り締まれていない"
"Steamが返金ポリシーを発表した直後の3日の間に、18個販売された内の13個が返品リクエストされており、これは購入者の72%が返金を求めている計算"
まあ、そうなるよなあ 実際、自分だって、この制度みたら
「よっしゃ! いっちょ乞食プレイするか」としか思えないもの 60%の満足で20ドルが戻ってくるのと、80%か90%か100%の満足かは分からないけれど20ドルが確実に失われるのと、どちらを選ぶ? みたいな感じ。本来ならば60-100%の満足で確実に20ドルが失われるはずなのに、これでは頭を抱えるのも仕方がない。 加えて、詳しくは後述するけれど、昨今のゲームは概して、短い時間でのプレーを前提としたものが増えている。ゲームの仕組みもシンプルで、一通りのプレーは数十分で堪能できるものが多い。2時間かければ大体把握はできてしまう。 引用元記事にもあるけれど、ゲームの性質によって、例えば2時間内なら返金の時間部分を各ゲーム提供側が調整できるとか、全額返金では無く時間によって返金される額面が変わるとか(キャンセル料みたいな仕組み)、もう少し仕組みの工夫が必要なんだろうな。 逆に、Steam側が「いーや、もう絶対にこの仕組みは変えない!」なんてことになったら、同システムで提供されるゲームの性質が、大きく変化する可能性は高い。下手をすると類似プラットフォームが登場し、もう少し融通の利く仕組みを導入して対抗する可能性もある。色々な意味で興味深いので、今後も動向を注意深く見守りたいところではある。 ......まぁSteam側としてはユーザーフレンドリー的な感じで始めたシステムなんだろうけど、片方に傾注しすぎると、仕組みそのものが崩壊しかねない状況に陥るという事例といえるのかな。 有料しか入手手段がない場合は、何の疑問もなく金を出して買う人間でも
「それを無料にする手段がある」と目の前に吊るされた場合、
その誘惑を絶ち切るのは難しい。
「返金されるのは魅力がなかったからだ」と断ずるのは少々乱暴よ。
どんな素晴らしいゲームでも、タダでやれるならタダでやる 「無料で遊ぶ手段が存在する」と「いうこと」が、
「金払ってでも遊びたいゲーム」の価値を
「無料でつまみ食いすればいいゲーム」に貶めてしまう。
人間の心にはそういう作用があるんよ こういう話を突き詰めると
「善良な人に道を踏み外すような選択肢を見せてはならない」
とか、そういうコトになるのかね 「タダでプレイする手段がある」というコトは、
「面白いゲームをプレイする」という目的が「ゲームを可能なかぎりタダで遊び倒す」にすり替わってしまうくらいの破壊力があるんよね。
タダで遊ぶコトが目的化してるユーザは怖いよ 「ゲームをタダでどこまで遊べるか」というコト、
それ自体がある種のゲームなんよね。
困ったコトに、このゲームはかなり面白い。
指摘の通り、今件の仕組みの導入で、利用者側にすり寄った形ではあるけれど、それが悪用されている感は否めない。極端な話、平均プレイ時間が2時間以内のゲームはほとんど返金扱いとなる。それがたとえ、1度のプレーが2時間内で、反復して楽しむものであっても、1度終ったことでプレイヤー自身が堪能してしまったら、そこで「どのみちお金が戻ってくるのなら」と返金手続きをしてしまうだろうし、再度繰り返せばもっと面白いかもしれないと示唆されていても、その再度繰り返しで得られる面白さと、返金で得られるキャッシュと、どちらを選ぶか......となれば、キャッシュを選ぶ人が多いのも理解は出来る。
これも指摘の通り、選択肢が増えてくる、これまでグレー的な部分を包括していた選択肢の内容が細分化されると、そちらを選んでしまう人は必ず存在する。時折ボランティア的な形で「貴方が支払いたいと思った額を払ってください」とする食事会などがあるけれど、よほど崇高な目的だったり、著名人によるイベントでもない限り、想定した額は集まらない。キャンセル料を取らない予約制の料理店では、バカスカキャンセルが入ってしまい、お店は多大な損失を被る。水は高いところから低いところへと流れていくのだな。
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