「ニートを時給300円で働かせれば問題解決」との話

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先日からちらほらと【「ニート」数推移をグラフ化してみる】のリクエストが増えてるので、何かあったのかなあと色々と探っていたところ、こんな話が出ていたとのこと。時給を下げれば企業が労働力に対するコストをそのままに雇用する人数が増やせるから云々ということで、ワークシェアリング的な発想らしい。それ、正社員と非正規社員との関係にも一部当てはまる部分はあるんだけどね。

ただ、時給300円にしろとかニートを雇えとかいうのはちょいと筋違い。炎上商法にしても質が悪すぎるし、事実誤認だとしたらあまりにもひどい言及。昔の光今いずこ、ではないけれど、「それとも何かの利権か?」的なパターンの印象を覚える次第。 

まぁ、色々と判明することもあるのだけど、それはこの後少しずつ。


要はこれ。感覚的に「脱成長論」の論旨と同じなんだよね。加えるならば、お金のやり取りは義務と責任のやり取りでもあり、低い賃金ならば相応の責任しか追わせられないし義務も発生しえない。昔の子弟制度みたいな想像をしているのかもしれないれど。そもそも「雇用を増やすために賃金を抑えろ」ってのは、上でも言ってるけれど非正規雇用の拡大の一因であり、それが問題視されているのが現状ではないのかな。

一応フォローとして「あれはボケだ」との意見もあるけれど、漫才師が番組でボケをかますのならともかく、ボケか否かが分からない状況での冗談は、本気で採られても仕方がない。「うそはうそであると見抜ける人でないと(掲示板などのソーシャルメディアを使うのは)難しい」的な大義名分を振りかざすかもしれないけれど、ね。それを炎上商法なり煽動なり世間を惑わせることの理由に用いたらいけないのだよね。

で、今件には他にも問題が。


この通り、情報がぐるぐる回ってあちこちでページビュー稼ぎのネタとして使われている。これが最新の情報技術の実体化と考えると、頭が痛いところ。日本の自称キュレーションのロンダリングで、まるでR18系サイトと変わる所が無い。

さらにこのロンダリングの過程で、情報もかなりゆがめられている。一次ソースの時点では「ニート」という言葉は使われておらず、「失業していて、雇用されないまま、能力と時間を無駄にしてる人」との表現がされている。それがまとめサイトで「ニート」との文言が加わり、それがぐるぐる回っている次第。伝言ゲームそのものなんだな、これが。

まぁ、一次ソースを読み直すと、失業者周りの概念でミスリードなり誤解釈なり事実と異なることが語られていて、色々と頭が痛いところではあるのだけれど。なんだかなあ、世捨て人になってしまったような雰囲気なんだよな。昔の光、今いずこという感じ。

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このページは、不破雷蔵が2015年7月 2日 07:33に書いた記事です。

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