サービスが終了した後もDNAが他に引き継がれるソーシャルゲーム

| コメント(0)


以前オンラインゲーム周りの保存性の話で触れた記憶もあるのだけど、スタンドアローン・パッケージ型ゲームの場合は稼働ハードを確保できれば、時間の経過にも耐えうる保存を成すことができる。ところがオンラインゲームやソーシャルゲームのようなクライアント型ゲームの場合、サービスが終了してしまうとその世界は幕を閉じ、稼働状態での記録が無くなってしまう。これ、あと十年単位で時間が過ぎると、色々と問題が生じる気がするのだけどね。

企業内レベルでないと歴史が保全されない。つまり、技術や情報の蓄積が成されない可能性がある。さらにいえば企業そのものが無くなってしまうかもしれないし、企業が存在してしても資料が紛失してしまう可能性は多分にある。カッコよく表現すれば、生物としてのDNAが保存されず消えてしまう。

で、「ジュエルセイバー」というゲームがあったのだけど、これも他のゲーム同様にサービスを終了し、世界は閉じてしまった。けれど企業側の粋な計らいで、コンテンツをすべてフリー解放した。これについては今でも公式サイトやツイッターアカウントで確認できるし、【サービス終了の「星宝転生ジュエルセイバー」二次利用フリーで全コンテンツ解放 商用利用無償、事前承諾も不要】など、当時の報道でも伝えられている。

ソーシャルゲームは多分にパッケージゲーム同様、そして他のエンタメ系コンテンツ同様、相応の世界観やら各種環境設定が行われており、それなりの資料が用意されている。世界を構築するだけの材料がある。それを「サービス終了したから全部消去」としてしまうのはもったいないという話。まぁ、ゲーム自身が大ヒットして他メディア展開ってことになれば、大いに利用される部分ではあるのだけど。


生首は正直どうかとは思うけれど、他のゲームで色々と活躍しているのが確認されている。企業によっては次回作に使いまわしをするから、とかクリエイターとの契約絡みで難しい場合もあるだろうけれど。一方で昔と比べ、オンライン系・ソーシャルゲームの類も平均的寿命が短くなる昨今、世界を閉じざるを得ない作品も増えているのは否めない。

今件「星宝転生ジュエルセイバー」同様、世界を閉じざるを得なくなっても、その世界の中ではぐくまれてきたDNAが少しでも別の世界で息を吹き返すような、そのチャンスを与えてくれる事案があるといいのだけど。

関連記事             

コメントする

            
Powered by Movable Type 4.27-ja
Garbagenews.com

この記事について

このページは、不破雷蔵が2015年7月31日 07:27に書いた記事です。

ひとつ前の記事は「体験者の年齢だったとしてもその話をうのみにしてはいけない・「戦争体験」に関するあれこれ」です。

次の記事は「Yahoo!ニュースがいわゆるステマ記事の徹底排除に本腰を見せ始めたとの話」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

* * * * * * * * * * * * * *


2021年6月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30