中国の株式市場が「ちょいとばかり」きな臭くなってきたという話

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先日のギリシャでの国民投票結果におけるユーロ圏・EU圏離脱可能性の顕著化やプエルトリコのデフォルト......が一度宣言されたけどその直後に取り消されるという良くわからない状態の陰で、こんな話が出てきている。スタンピード現象的なものか、それとも起きるべくしておきる環境が整ったからなのか、中国の市場動向が少々きな臭い話となっている。

「ちょいとばかり」とタイトルに挙げたのは、似たような話はこれまでにも何度かあったし、そもそも論として中国市場は資本主義社会の市場とそのまま同じようなものとして比較すること自身が無意味だったりする。何しろ共産主義国家でかつ独裁国家によるものだから、疑似的に資本主義的な要素を取り入れていても、何かあればその本質を発動させれば済むだけの話。


規模は違えど記憶に新しいものの限りでは、先のサブプライムローン問題の露呈に始まる金融危機、そしてリーマンショックにおいて発動された日経平均先物に対するサーキットブレークとか、空売り規制とか、ロシアにおける市場停止措置ってのがある。ただこれはあくまでも一時的なものであり、今件は少々勝手が違う。特定銘柄の売買停止となれば、売買再開となった際に生じるであろう損失を担保するために、停止されていない銘柄の売却による現金化は加速される。

そして日本での空売り規制の時にもよく言われたんだけど、この類の売買規制ってのは、一時的な応急措置でしかなく、しかも全体的な影響はより大きなものとなり、長期化してしまう。虫歯になった時にその部分を早期に治療して削ればいいのに痛み止めだけで我慢していたら、どんどん悪化してしまい、歯そのものを抜かねばならなくなったり、他の歯にまで広まってしまうような感じ。売買によって決定する株価ってのは、さまざまな環境、状況、心理状態を加味して生み出されるものだから、その要素を無視して売買を停止=株価を固定してしまえば、エネルギーはどんどんたまり、解放された時の影響はさらに大きくなる。

まぁ、売買停止が心理的なパニック状態を収めるための措置であるのなら十分理解は出来るのだけど、逆に投資家心理を悪化させるような気がしてならない。


もちろんこれはネタ、ジョークとしてのやりとりではあるんだけど、これがジョークと表現できるのは、もちろんそんなことは資本主義における株式市場であるとの前提があればこそ。上記でも触れているけれど、中国は共産主義でかつ独裁国家。緊急事態となれば、いかなる行為も許容されることになっている。先が読めない状況であることに違いは無い。

同じく上で触れているけれど、群集心理、スタンピード現象などはどのような体制下においても発生しうるからねえ......。AIIBの動向にも小さからぬ影響が生じそうな気がするし、注意深く見守りたい。

追記:


内藤証券に停止処分に関する説明書きが成されている。その大部分は「重要事項に関する公告未発表のため」。この言及が正しいとするのなら、かつて日本の新興市場で生じた「アレな企業の不祥事発覚による上場廃止措置」が一斉に生じたことになる......のだけど、それってどうよ、という感じもする。それだけ大量の「問題児」が今まで存在してたのか、となると、ねえ。あるいは市場内規的なものが変わって、一斉に抵触しうる形になったのかな? いやでもそんな話は聞いていないし。。。

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このページは、不破雷蔵が2015年7月 8日 07:57に書いた記事です。

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