選挙を否定してデモを賛美する、クーデターだと騒ぎ立てる、多数決そのものの存在意義を否定する、この頃の朝日はちょっと、かなり、ヘン

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先日【大手新聞社のご意見曰く「人々が主権者である社会は、選挙によってではなく、デモによってもたらされる」】で「朝日新聞の社説が、いつもはヘンだけど、今日のは特に超ヘンだった。これでは過激派、反社会的グループの機関紙と何ら変わらない」的な話をしたばかりなんだが。14日づけの社説にも似たような傾向の話が掲載され、あ然とした次第。

話にいわく、武力を使わない法的なクーデターだとの意見は正しい、議論は熟していないとか。そして切り口も先日のと同じく、権威がありそうな人の話を引用し、それが正しいかのような錯覚を与えている。まぁ、数量的な調査データを元にしたのならともかく、諸説ある中での一つの意見を持ってきて、それを唯一無比なもののように述べるとは。

そもそも「社説」はその会社の代表すべき話であり、ある程度地位があるけれどつまはじき的な人の戯言の場とか、言いたい放題言わせておくような場所じゃない。一般企業で同じようなことをしたら、すぐにフルスロットルで非難轟轟のはずなのに、なぜ新聞社だけ許されるのかが不思議でならない。「文化」「クオリティペーパー」を自称する企業の主張がこれとは、ね。

「社説は影響力が無いから別にいいだろ? 言論の自由だ」との反発もあるかもしれないけれど、ならば実名記事で戯言と明記した上で書けば良いまでの話。無記名である以上、そして社説として呈されている以上、700万部以上の発行部数を誇る公器に載せる文面じゃない。


選挙制度を否定してデモに優先順位を与えるべきだとし、自らの意志と違えた進行になるとクーデターだと揶揄し、挙句の果てに多数決の方策を否定する論評を述べだす。「自らが気に食わない状況の仕組みはすべて悪だ」とでも言いたげで、とてもじゃないけれど公器の文面とは思えない。


ここ数日の奇業は朝日新聞だけかなと思っていたけれど、テレビ朝日も似たようなことをしでかしていたのがアンテナに引っかかった。というか釣られた人が結構居たみたい。キャプチャの時点で「そのような発想もあるかもしれないが、むしろ三連休の間に盛り上がりを見せる可能性もあるし、そもそもそんな話を第三者に向けて公言すること自体おかしな話」とおもっていたのだけど。

色々と探して一次ソースを確認したところ、字幕の部分はテレビ朝日側の推測の内容でしかなく、半ば以上当事者が語っているように見せかける印象操作だったと見られても仕方ないような状況だったのが実態。つまり正確には「『政府与党側としては、採決を強行しても3連休を挟めば来週以降、空気が和らぐとの読みも』というテレビ朝日の読み」だったという次第。

当方はその時代、当然生まれていないから分からないのだけど、太平洋戦争以前・戦中の新聞報道による煽動記事ってのも、こんな類のだったのかもしれないなあ......と思ったりする。

ともあれ。先日の「二つの吉田事件」で自己反省、綱紀粛正的な委員会の意味はなかったことに違いはあるまい。

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このページは、不破雷蔵が2015年7月15日 08:00に書いた記事です。

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