「対案はありまぁす!」じゃないんだから、腹案も対案も用意してから「ある」と主張しましょう

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民主党は21日の「次の内閣」会合で、政府の安全保障関連法案の対案として、周辺事態法改正案の取りまとめを了承した。これに先立ち、安全保障総合調査会などの合同会議を開き、調査会事務局が改正案の素案を説明した。

......ということで昨今色々と話題に登っている事案に関して、対案としての法律案の策定に取り掛かり、取りまとめを了承したとの話。これが21日付け。今時点で提出用の対案(法律案)として確定したものであるか否かは不明......と思ったけれど、「同党は法案化作業を急ぐが」とあるので、まだ法案としての体裁は成していない。つまりまだ作っている途中の段階。「今まで何やってたの?」とのツッコミも当然の話。

で、気になるのか、まだ対案が出来上がっていないという事実。先日のテレビ対談で「対案はある。出さないだけだ」と幹部先生がおっしゃられていたような気がするのだけど。

細野氏「いつでも法案(対案)を出す準備はできている。ただし与党側が、しっかり協議して一致点を見いだしていく覚悟を示すことが大前提だ」

7月19日付の新報道2001での話。細野氏いわく、「対案を出す用意はできている。近くは現実的に遠くは抑制的に、人道復興支援については積極的に。そのもとでいつでも法案を出す準備はできている」「対案を出して与野党協議をするのが持論。周辺事態法についても準備をしている」「PKO法案についても準備をしている」。さらにいつ対案を出すのかのツッコミに対しては返事をせず、維新の対案に対しては「維新だけが出したらOKってわけじゃない」「与野党が腹を割らなきゃだめ。自民党と維新が腹を割って協議してるとは見えない」と矛先を維新側に向け、維新の柿沢氏からも「なぜここで敵に回すのか。底までいうのなら民主党も対案を出す方が良い」と逆に突っ込まれる始末。

「準備をしている」「用意はできている」がすでに対案があるとの意味なら、WSJの記事とあわせて考えると、無いものをあるとして主張していることになる。蕎麦屋の出前「もう出ました」と言いながら材料を調達しているようなもの。「周辺事態法改正案の取りまとめ」をしている最中で対案そのものはまだできていないとするのなら、これまで自分達の準備不足で審議拒否を繰り返していることになる。

いずれにしても、以前【腹案の正体判明..."「何も考えていないんじゃないか」と言われるから、「腹案がある」と言ったんだけどね"】で解説している、普天間の件における「腹案」問題(そんなものは無いのに、非難されるのがイヤだから「腹案はある」と語った)と何ら変わりはない。まるで「STAP細胞はありまぁす!」ではなく「対案はありまぁす!」みたいな話には違いない。


まぁ、多分に思いつきみたいなものではあるのだろうけど、記録が残り時系列的に容易な精査が可能な現代においては、色々とやっかいなことになりそうな気はするのだけどね。

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このページは、不破雷蔵が2015年7月23日 08:08に書いた記事です。

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