終戦記念日に近づくとやってくる昭和や太平洋戦争に絡んだ「スクープ」の実情

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これは後ほどまとめる予定の話とも絡んでくるのだけど、例の法案の件も合わせ、今年はさらにその類のガセ・デマが増えて来るのではないかな、との予感がある。歴史の精査と評論などを生業としている人には、さらにその血圧上昇度も底上げされてしまうもの。

指摘の通り、テレビや新聞、雑誌などの報道での「スクープ」において、歴史が絡んでくるものは大抵が煽り文句で実情は無い。スクープの類にしても注目を集めさせたいためのガセ的なものが多いし、指摘のある通りデマゴギー(デマのこと。ガセよりも政治的な意図であり、意図的な噂やウソ、流言の色合いが強い)の事案も少なくない。そんなの昔から知られていたことでしょ? ならまだマシで、それずっと前に否定されてるやん......みたいな事も多々ある。まぁこの辺は電力周りや放射線周りで、この数年の間に圧縮される形で何度となく繰り返されているから、分かる人も多いはず。


「provenance」とは由来の事。「Aktenfetischismus」とは収集家......というよりは単なるコレクター的な意味だろうか。要は大発見と呼ばれるような素材が見つかっても、それに満足してオシマイではなく、それを元に解釈を行い、理解を成して資料化していくことが大切という話。そこまでできて、はじめて本当のスクープになる。ああ、耳が痛い(まとめるべき資料やレポートを見つけても、精査するリソースが足りない当方)。

で、資料収集家の話はさておき。戦記物に限らず、この類の「なぜか同じタイミングで、時節に合わせたネタ的なスクープが相次ぐ」「そのスクープは実の所スクープでも何でもない」ってのは結構よくある。資料精査の関係で発表からタイミングがずれるのは仕方がない面もあるけれど、個人ベースならともかく報道機関が、数か月、さらには数年も経った後で「新発見」となると、腰が抜けてしまう。なぜこのタイミンクで? という気はする。

ソース側が「話題にしてほしいなぁ」ということでリリースを再度流してみるってこともあるけれど、それはもうスクープですらない。とりわけ公的機関ベースの情報の場合は、大抵記者の勉強不足か知識が無いのか、あるいは意図的な「新発見」に違いなく。いや、まぁ、その、何だな。公的資料そのものの発見に関して、記者側自身が遅れていたってこともあるけれど、少なくともそれはスクープでは無く、単に「分かった」とのみで評する、加えて自社・記者自身がとの言及を明確にしておくべき。そうでもなけりゃ、毎年7月下旬から8月15日にかけて、昭和から太平洋戦争絡みのスクープが確率論をはるかに超えて連発するという、デタラメな状況はまだまだ続く気はする。


終戦記念日に合わせた話とは少々ずれるけれど、先日の墜落事故でもこんな事案が語られている。ある所では「報道は正義の味方的な自意識が強く、だからこそシナリオをあらかじめ作り、それに基づいた世の中、世論を生成するのが責務であると考えている」との解説があった。先の指摘の通り、伝え手側の質が落ちている、不勉強なのか、元からなのが暴露されただけなのかは分からないけれど。

このような動きで多数の人達の不幸が生み出されるってのは、あまり納得のいく話では無い。「真実の追及」なら多数の利益になり得るけれど「視聴率取れるインパクト」で得をするのは伝える側のみでしかなく、流れが創られることで多数の不便益が生じてしまう可能性は多々あるのだからね。

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この記事について

このページは、不破雷蔵が2015年7月28日 07:42に書いた記事です。

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