テレビ局による制作会社への「いじめ」は指導を受けても何ら改善はされていなかった

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テレビ局と番組制作会社の力関係について、その実態が公正取引委員会の調査によって浮き彫りになった。公取委は7月29日、テレビ局から番組制作を下請けする280社からの回答をもとにした調査結果を発表した。公取委は「テレビ局等による優越的地位の濫用規制上問題となり得る行為が行われていることが明らかとなった」としている。

「明らかになった」とは記事にあるけれど、当方が知る限りでも【総務省、実在する具体的事例を挙げてテレビ局の「制作会社いじめ」を指摘・状況改善を要請】でも触れている通り、2009年に制作会社側からの直訴の形での問題提起が成され、それを受けて総務省側がテレビ局に対して実質的な指導をしているんだよね。内容的にはほぼ今回公取委が公開したものと同じで、まぁ、中には2009年のガイドライン設定を受けて状況の改善を推し量った個別ケースもあるんだろうけど、業界全体としては何ら進化も改善も反省もなされていないと見なして問題は無い。

テレビ局と制作会社の関係では2009年1月にテレビ番組制作社連盟が放送事業者に、契約の際の不平等さや買い叩き、悪辣な労働条件に関する公開の訴えを表明。これに合わせて総務省でも、テレビ局が番組制作の下請け会社に対して不公正な取引を強いる、いわゆる「下請けいじめ」「制作会社いじめ」を是正するためのガイドラインを数回に渡り作成し、NHKや地上波民放各局に通知しています。現在も総務省サイト内で「放送コンテンツの製作取引適正化に関するガイドライン」から検索すれば、最新版の第三版(2014年3月策定)が確認できます。


今回公取委の開示資料の限りでは、6年前の問題に関して、放送事業者側が誠意ある対応を示し、状況の改善を進めていたとは言えない実情が明らかになりました。

一般企業や官公庁で同様の事案があれば、厳しい姿勢で糾弾を行う各放送局においては、同一の姿勢で自らを律する事を強く望まざるを得ません。


とは該当ニュースで当方がコメントした内容だけれど、同じような事態が他業界なり官公庁で露呈されれば、テレビの各報道は一週間ほど絶食した上でエサを見つけたライオンのような勢いで飛び付いてひたすらむさぼりつくような形でツッコミを入れるはず。同様の姿勢をテレビ自身にも行ってほしいものだ。

というか放送事業は許認可制なんだから、総務省自身が強制力のある指導、放送免許の停止、取り消しを行ってもよいと思うのだけどね。「どうせこちらがいくら狼藉を働いても、強い態度になど出るはずもない」となめた姿勢が、現状を生み出した一因ともいえるのだから。伝家の宝刀は抜かなければ意味はないのだね。ましてら6年前に同じことを指摘されて、事態が改善されていないとなれば......ねえ。

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このページは、不破雷蔵が2015年7月31日 06:27に書いた記事です。

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