カラーテレビと白黒テレビの一般世帯普及率推移。消費動向調査から。1957年当時は7.8%。1960年半ばまでには一般世帯のほぼすべてにテレビは浸透済。 pic.twitter.com/pUIgDficod
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 8月 26
先日の学生運動周りの調査結果の記事に関して「1950年代や1960年代は学生運動は多数の支持を集めていたはずだ」というアグレッシブで強圧的な意見をいくつかいただいている。で、そのような支持があるのなら、なぜ衆参議員選挙で政権がひっくり返らなかったのかな、という話はさておき。
学生運動の類が明確に社会的に認知と共に否定されるようになったきっかけの一つって何だろうか、その行動を認識させるものは......ということで、新聞や雑誌のような静止画や、口頭などでの伝聞よりも大きな役割をテレビが果たしたのかもしれないな、ってことで、白黒テレビの普及率を精査した次第。
モノクロテレビの普及は、1959年4月10日における皇太子明仁親王(今上天皇)御成婚の中継がトリガー。1957年では1割にも満たなかったのが、1964年には9割近くまで達するようになる。昨今のスマートフォンの普及に伴う情報伝達革命のような、ダイナミックな情報伝達に絡んだ社会的変化が、テレビの浸透とともに生じたには違いない。リアルタイムで映像つきの情報が茶の間に流れるのだから。
そのようなスタイルで、今まで止め絵、文字でしか伝えられなかった数々の挙動、言動が報じられたらどのような感想を「一般の人達」は認識するだろうか。内部的な分裂や対立なども鎮静化の一つの要因ではあるのだろうけど、一般社会から敬遠されるようになったのは、その実情がより詳しく伝えられたのも一因なのかもしれない。
戦後20年から30年が経過し、ようやく社会が落ち着きを見せ始めている中で、再び戦争を想起させるような国内の騒乱が、リアルな形でお茶の間に映し出されたら、普通の人達はどのような感想を抱くだろうか。ある意味、可視化による効果なのかもしれないな。
まぁこれはあくまでも数字を付きあわせた上での、個人の推論ということでしかないんだけれどもね。
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