EU全体としての懸念は経済や失業よりも移民問題、世論調査結果で明らかに

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欧州連合(EU)欧州委員会が7月31日に発表した世論調査結果によると、38%が最大の懸念事項に「移民問題」を挙げ、経済状況(27%)や失業(24%)を抑えて最も多かった。調査は5月、計3万人以上の欧州市民を対象に面接方式で行われた。


昨年11月の調査では、経済状況、雇用、公的債務が懸念事項の上位を占めていた。中東やアフリカから地中海を越えて大量の移民が欧州に押し寄せる中、移民問題への懸念が急速に高まっていることを示した。


欧州委員会の詳細レポート「PUBLIC OPINION IN THE EUROPEAN UNION」を確認しますと、今件は問題視されうる項目を列挙した上で「EU全体としての懸念」を2つ挙げてもらった結果です。上位を見ると

移民...24%/38%
経済状況...33%/27%
失業...29%/24%
公的債務...25%/23%
テロ...11%/17%

(2014年/2015年)

で、移民とテロに関する懸念が大きく増加しています。

他方「回答者自身の国に関して」の懸念としては

失業...45%/42%
移民...18%/23%
経済状況...24%/21%

が上位となり、最大は失業問題ですが、やはり移民問題が大きくクローズアップされています。


タイミングが少々ずれたけれど、欧州でちょいと気になるレポートが出たので、覚え書きも兼ねて。元記事は少々誤解を生む内容で、該当調査項目ではEU全体としての問題を、選択肢から2つ選んでもらった結果の最上位に移民問題がついたとなっている。もっとも、回答者自身の国内問題においても、移民問題の回答率は上昇中で、欧州そのものの移民に対する前提・概念が大きな揺らぎの中にあることが分かる。理想・思惑と現実とのかい離に、気が付いた人が増えてきたという次第。


今件については一次ソースで詳細なデータが公開されているので、時間を見つけて精査をしたいところではあるのだけど......それだけのリソースを確保できるかなってのが最大の懸念。ギリシャ問題のどたばたで、さらに今件もクローズアップされてくるんだろうなあ。

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このページは、不破雷蔵が2015年8月 4日 07:46に書いた記事です。

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