「北海道や新潟にも原油はあるじゃん」→国内消費量の1%にも満たない量でしかありません
国産原油供給量をグラフ化してみる http://t.co/BeDGNXuUKF
「あちこち掘っても出てきそう」→そんな単純なものではありません
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 7月 31
「メタンハイドレート使えばいいじゃん」→安定した量産採掘技術の問題に加え、費用対効果の問題が。100ドル分の量を採るのに1000ドルの費用が生じたのでは意味が無し。シェールガス・オイルの現状を勉強しましょう
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 7月 31
「同じ石油を買うにしても、中国やロシアから買わずにわざわざ中東から買う」→中国は今や石油輸入国です。数年前には日本への原油輸出は止めてます。安定感・必要な量の確保ができるか否か、品質その他の問題です。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 7月 31
@Fuwarin 石炭の炭鉱がまさにそれですよね。
石炭はまだ国内にあるんですが、採算が合わないんですよねー
— yomi_nuxx (@yomi_nuxx) 2015, 7月 31
先日当方の本家サイトの記事の一つ【日本の原油輸入元をグラフ化してみる(石油統計版)】に掲載していたグラフを持ち出して、中東依存度が高いことを挙げ、何でもっと中国やロシアから買わないのかという揶揄的な発言が結構な割合で公式リツイートされていた。要は中東への依存が高いので自衛権がどうとかアメリカ依存が云々と言いたいらしい。あるいは世界支配層云々の話じゃないけれど、何らかの陰謀だろうきっとそうだ、的な論旨展開の部分もある香り。
で、直接第一ツイート者に向けて「その記事を書いた張本人ですが」とリプライを送ってもよかったのだけど、不要なリソースを費やすのも不毛なのでパス。代わりにこんな感じで覚え書き的なツイートを行い、それをさらに今件のようにまとめて改めて覚え書きにした次第。
中東からは継続的に大量の高品質な原油が調達できるし実績も山ほどある。これが中東依存度が高い理由。さすがに生命線的なラインを一地域に傾注すると、以前の石油危機のようなリスクも生じるので、外交戦略上における融和政策の推し進めだけでなく、エネルギー源の分散取得も図るようになった、そして昨今では原発周りも合わせ、再び中東依存度が高くなってしまっているよ、的な。この辺りはそれぞれの記事で解説しているんだけどね。
メタンハイドレートも然り。存在はしていても、経済面で割りが合わなければ採掘は出来ない。ちょっとおいしい500円のお弁当を買いに新幹線を乗り継ぐ人はいないってところ。バイオエタノールも似たようなもので、低コストで低リスク、さらには安定性・量産性の高い技術が開発されれば、一気にその方法は華を開く次第。
中国やロシア周りもそうだよ。国内の石炭がなかなか採掘されないのも。色々とそろばん勘定をして、中東経由が一番っていうところ。すべて同じ条件で「買ってね」と言ってるわけではないのだ。
やっぱり自分で調べて正しい知識を得るって大切。知らなければ今件のように、「そうだよねー日本で採ればいいじゃん」「なんで中東なんて遠いところから輸入してるん? やっぱ陰謀だよねー」とか思ってしまうかもしれない。
まぁ、でもアレだ。ツイッターのように短文が基本スタイルのコミュニケーションだと、あのグラフを出してあんな主張が出て来たら、ぱっと見では信じ込んでしまうかもしれないなあ、とも思う。色々と難しい時代になったもんだな。
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