「印税入るんならおごってよ」フリーランスやクリエイター周りに係わるお金の話あれこれ

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一部クリエイター界隈の生活水準が、その構成員の多くにおいて低いままで留まっているのは、業界内でこの「好きな事をしているんだから対価は安くてもいいだろう」的な感覚が、支払いをする側にあるのが小さからぬ原因。給与は我慢料みたいな考えもあるようで、それはそれで一理あるのだけど、ならば好きな事をやってるのだから我慢もしていないだろう、なので対価は安くてもいいなってのは、結局のところ支払う側の都合の良い話。

これがまかり通ると水と乾パンだけを渡して「生きているのだからいいだろう」でも通用する事になる。「それは違う」との反論をする人もいるかもしれないけど、ならばその良し悪しの境界線はどこにあり、その境界線の確からしさは誰が保証するのかな。

似たような話で印税に係わるのもしかり。印税を宝くじが当たったみたいなもののように考え、ならば少し分け前を寄越せ(何もしてないのに!?)って考えが寄せられると、思いっきりめげるのは理解できる。印税ってのは要するに種をまいた上でよく育った収穫であり、投資行動における確定利益でしかない。さまざまなリスクを背負い、その上でようやく得られた対価。それを賛美するのはともかく、横から割り込んで......というのは「俺の仕事をなんだと思っているのか」的な腹立たしさを覚えるのも当然かもしれない。まぁ、偶然が偶然を呼んで、突然自分の昔の作品にスポットライトが当たり、億単位の印税がいちどきに入ってきたのなら、話は分からないでもないけれど。そんな人は滅多に居ない。


創作系のお仕事は特に、その成果の対価に対して安く見られる、見下されることが多い。相場を知らない場合が多いのも一因だけど、似たような......というよりは、同一ジャンルの作品が山ほどネットで見つかるので、対価そのものの感覚がぶっ飛んでいる部分もあるし、同時に買い叩きをしてみて、上手くいけば儲けもの、どの道ネットだし的な感覚もあるんだろう。「だろう」というけれど、実際にそのような対応を受けたこともあるので、半ば以上は確信。

たまたまというか偶然というか、その類のお金周りの話が相次ぎ入ってきたので、覚え書きも兼ねて。まああれだ。前にも書いた記憶があるんだけど、「次につながるかもしれないから」と安請け合いするのは禁物ね。相手はその対価分でしかあなたを見ていない。さらに次につながるような期待の持てるビジネスをしているのなら、そもそも論としてそんな買い叩きをすることは無い。法人レベルではやっていなくても、その担当レベルでやっていたら同じ事。

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このページは、不破雷蔵が2015年8月 6日 06:29に書いた記事です。

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