TVをほぼ見ないけど、つけると「臭い」とか「汚い」とか、やたらと不快な映像を直接見せるCMが増えたように思える件について仮説を立ててみた。おそらくTVは本当に「見たくない人は見てない」媒体となったのではないか。以前ならそこでチャンネルを変えるような人はもうTVを見てないのだ。
— ゾルゲ市蔵 (@zolge1) 2015, 8月 6
当方はテレビそのものを観なくなってから随分と経っているのだけど、動画共有サイトの試聴版などで確認をする限り、テレビ放送というものは、もう観るのに値するカテゴリでは無くなり、載っているコンテンツの中で評価すべき、精査した方が良いものがあるかもしれない、という感じになっている。
指摘の上がっているテレビCMも、本家サイトでテレビCMの展開動向に係わる定点観測的記事の更新を止めてから(データ提供元が一般公開しなくなっちゃったのよ、実は)、ほとんど触れる機会が無くなった。ただ、同様の指摘はちらほら目にしている。相対的価値の低下なのか、それとも絶対的なものなのかまでは分からないけれど、見るに堪えかねないCMの話は頻度的に増えている感はある。この辺りは統計を取るのが一番なんだろうけど、そのような統計はとりようがないからねえ。
テレビに限らず映像コンテンツでは、インパクトの強いものの方が注力度は高くなる。ねこだましが良い例。テレビCMのように短時間で強い印象を与え、覚えてもらうためには、さらにその必要性が高くなる。その手法の一つとして有効なのは、ネガティブな印象。その分、忌避する人も出て来るけれど、もともとその程度の不快なもので嫌がる人は、すでにテレビを観ていないという状況ならば、これほど有効なCM素材は無いことになる。
おそらくこれまでのような穏当なCMより、直接汚物を見せつけたほうが売上がアップしたのだろう。ゲームの世界を思い出す。日本のゲームが萌えを隠さなくなったのも、それに拒否反応を示す人がそもそもゲームを買わなくなってからのように思う。買ってくれない相手に気を使う必要はないからな。
— ゾルゲ市蔵 (@zolge1) 2015, 8月 6
@zolge1 個人的には「萌えに拒否反応を示す一般人の方々はそもそもダンジョンRPGとか2Dシューティングを買わないよね...」ということがハッキリわかったからだと思います^_^
— 松下佳靖@レゲー (@matsushita_8bit) 2015, 8月 6
@matsushita_8bit そうですね。思えば不良がゼビウスやりこんでたりした時代の方が珍しかったのだと思います。
— ゾルゲ市蔵 (@zolge1) 2015, 8月 6
この類の先鋭化は、市場の方向性が明確になるので、創り手側としては楽になる部分もある。制約がゆるくなり、考慮しなければならないパラメータが減り、効果はよりはっきりとしてくる。猫専門チャンネルで動物一般の話を語るよりは、猫だけの特殊事情を語った方がウケはいいし、リアクション率も高くなる。
一般化から専門化へのシフトは、コンテンツ制作の上では容易になるけれど、当然市場は狭まるし、他の要素を取り込むことによる突然変異≒進化の可能性も低くなる。次第に先鋭化していき、偏ったものばかりとなる。今の日本のテレビ番組が色々と質の上で、内容も創り手サイドも問題視されているのは、結局この「先鋭化」が一つの原因ではないかなとも思ったりする。
......まぁ、あれだ。環境に応じて最適化がなされるってのは、見方を変えると「進化」ではあるんだよね。ただ進化が進み過ぎると、状況の変化に対応しきれなくなるってのも、やっぱり同じ事なんだろうな、と思ったりする。
あ、補足。単に刺激を求めるだけなら、インターネットの方がより強いことに違いは無い。低い利用ハードルで、一方的に垂れ流しされる刺激ってことだろうな、テレビ云々ってのは。
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