専門家「男性の喫煙率が下がった結果、肺がんで亡くなる人がぐんぐん増加しています!」 pic.twitter.com/G5MTrJbxWY
— zapa (@zapa) 2015, 8月 17
「男性の喫煙率が下がった結果、肺がんで亡くなる人がぐんぐん増加しています」、つまりたばこと肺がんの関連性は無いのです、的な話を専門家の人が言った......的なツイートが先日出回ってきて、まあ色々と物議をかもす形となった。ただ、このグラフ、どこかで見たことがあるんだよね。
こちらはアメリカがん協会による1人あたりの喫煙本数と肺がん発生率の推移グラフ。喫煙によって引き起こされる肺がん死は30年ぐらいのタイムラグがあるので、こんな風にピークの位置も30年くらいズレる。 pic.twitter.com/fXiuR1YKV0
— カスガ (@kasuga391) 2015, 8月 17
前図のこの部分を赤枠で囲って拡大すると......あっ。 pic.twitter.com/3eSrspEWM4
— カスガ (@kasuga391) 2015, 8月 17
で、グラフそのものは半ば以上悪質な、トリミングによるものであることが判明。でも「専門家」って誰よ......ってことで精査を続けたところ。
①先の喫煙率周りの話。既視感があると思って精査した結果をお知らせします。まず例のグラフですが一次ソースは「虎ノ門ニュース 8時入り!」の8/17分、大体2:00:00あたりのものです。https://t.co/AhUBmxiJkt
https://t.co/LY7zFwbDau
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 8月 18
②そう、あのTWで語られていた「専門家」とは件の武田邦彦氏です。そしてあのグラフは3年前に当方も記事にした 教授職にあるものがデータをねつ造してはいけません http://t.co/EXiBESvzoc 都合の悪い部分を取り除き、さらにトリミングしたものです。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 8月 18
③ちょっと出来が悪いですが、こんな感じです。武田邦彦氏はあのグラフをまだ用いているのですね。 pic.twitter.com/ooWI57EAnK
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 8月 18
@Fuwarin そもそもこれ羅患率じゃなくて死亡率だからねぇ。
— ゆのか雅愁@新刊ZINで委託中 (@ViSiONeGATiVe) 2015, 8月 18
④「専門家」「テレビのような映像による提示」なら、ぱっと見で信じてしまう人も多いでしょうね。......まぁ先のTWの画像も、一次ソースが分かりにくいように、巧みにトリミングされていたようですが。 pic.twitter.com/TR8rn7LzQm
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 8月 18
@Hachi_Astroboy @Fuwarin @KGN_works 武田邦彦は、歴史、地球科学、医学など、どの分野でも適当な口をはさみ、リアル専門家がそれを指摘するけど、学術、論理に詳しくない層のハート、メディアの需要を掴んで儲ける、というのがパターン化されてますね。
— 元の科学 (@YamamotoScience) 2015, 8月 18
震災以降猛威を振るっている、エセ科学者の武田邦彦氏であることが判明した。しかもこれ、ネット上だけでなくCSの「虎ノ門ニュース 8時入り!」でも放送しているのか、報道番組として。信用性がゼロであると暴露しているようなもんだな。番組全体が。他の出演者も合わせ。そもそも論として武田氏を「専門家」と説明している時点でアウトもアウト、ワンスイングで9回分全部アウトで試合終了ものなんだけど。しかもあのグラフ、3年前にフェイク的・偏向誘導的なものとしてバッシングを受けたものと同じ。
武田邦彦氏は医学の専門家ではありません。日本の肺がん死亡者数の増加は、かつて高かった喫煙率(タイムラグ)および、人口構成の高齢化のためです。タバコは肺がんの原因です。 https://t.co/gkqSRRryi7
— なとろむ (@NATROM) 2015, 8月 18
ブログでも、『「喫煙率が下がると肺がん死が増える」のはなぜか?』[ http://t.co/I2JVFizvyT ]で解説しています。武田氏はこのような指摘があることをご存知のはずですが、具体的な反論はしていません。
— なとろむ (@NATROM) 2015, 8月 18
タバコを吸う人と吸わない人3万4000人を50年間追跡したデータ。喫煙者は非喫煙者と比較して、平均して寿命が10年短かった。 pic.twitter.com/KJ0UrTdqE6
— なとろむ (@NATROM) 2015, 8月 18
「喫煙者は【運が悪いと】寿命が10年縮む」ではなく、「喫煙者は【平均して】寿命が10年縮む」という点も重要。
— なとろむ (@NATROM) 2015, 8月 18
なとろむ先生が引用したグラフと元論文の凄い所は、これ『50年間の観察結果』なんだよね。観察対象は英国人男性医師。ず~っと丹念に追いかけてったんです。ちなみに論文のファーストオーサーも同じ人。
https://t.co/Fll7BPBMvb
— KGN (@KGN_works) 2015, 8月 18
さすがに50年間3万4千人のデータを無視する度胸のある人はトンデモさんだけじゃないのかねえ。
これ、すご~い地味だけど規模も凄い研究なんですよ。
— KGN (@KGN_works) 2015, 8月 18
この類のガセ話が広まると、その内容の検証には時間がかかるし、それが正しいものか否かも分からないし、検証しても意味が無く空振りに終わることも多い。そして検証の結果、ガセであるとの仮説が正しいと判断できる確証が得られても、検証した側に得るものはほとんど無い。意図的にガセネタを流した側に損害賠償請求や、刑事罰の提起を行えるわけでもない。だから出まかせや出鱈目が流布されても、「それは違う」との裏付けや反論がしにくいんだよね。
せめて「専門家」の部分に武田氏の名前が上がっていれば、その時点で終了として断じることもできたんだけどね。むしろそうしないことで、流布を模索したのかもしれない。そう考えるとさらに事は悪質だよなあ......。
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