単なるコピーと、コピーはするけどペーストはしないとの意味と

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例の一連のデザイン問題そのものはさておくとして。当方も非常に納得させられたお話。創作者の成長プロセスにおいて、その方法論として「先人の、優秀な人のコピーをすること」ってのは、表現方法は違えども良く聞かれる話。でもこの「コピー」ってのが色々と解釈できるものだから、下手をするとそのまま先人のを丸写ししてしまったり、スクラップ的な扱いをするとの解釈もできてしまう(それをデザインなり芸術なりと主張するカテゴリもあるけれど、それは特殊な事例)。

つまり「上手くなるためにコピーしろ」というのは、本当にそのままコピーをして自分の作品として使うのではなく、つまりコピー&ペーストをするのではなく、コピーをした上で自分の中に取り込んで消化して糧と成し、その上で自分の創生物の礎にしろという意味......と考えれば非常にしっくりとくる。

技術革新においても似たようなもので、先人が10年かけて到達した領域は、今の人が同じプロセスを踏むと、やはり同じ能力を持った人なら10年かかってしまう(実際には周辺環境も進歩しているからもう少し短くなるけれど)。でもそれは非常に不毛なので、先人の知識を受け、コピーをして利用し、その先を積み上げていく。例えるなら、円の面積を求める時に円周率の概念を自分で一から生み出すのはバカバカしいけれど、その技法をそのままコピー&ペーストして「自分が円周率の概念を発見しました」というのは、これもまたおバカさんでしかないってこと。

クリエイティブな行動ってなんだろうといった、根本的な部分を思い返す時にも、非常にためになるお話かもしれないな。

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このページは、不破雷蔵が2015年8月28日 07:49に書いた記事です。

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