マクドナルドの月次売上前年同月比が19か月ぶりにプラスに転じたわけだけど

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8月は、全店売上高が対前年比2.7%、既存店売上高が対前年比2.8%となりました。4月に発表したビジネスリカバリープランの進捗により改善の傾向にありますが、依然として食の安全・安心にかかる一連の問題による影響は残るなど本格的なビジネス回復にはまだ至っておりません。引き続きお客様の信頼を取り戻し、最高の店舗体験をご提供する努力を続けて参ります。

異物混入リスクはどのような手立てを講じても相応に存在するわけで、大小を問わずそれこそ毎日のように生じているわけだけど、それこそ連日連夜大きく報じられた一時期のような「ブーム」は過ぎ去り、類似事案が発生してもすぐに忘れ去られてしまう現状を見るに、やはり相乗効果そのもの、あるいはそれを狙った集中的な叩き・ネタとしての使用ってのがあったんだろうなあ、と思いながら、ようやく前年同月比で売上がプラスに転じたマクドナルド。

ただよくデータを見直すと、今回月は大きく値を下げた前年同月との比較で、反動が多分にあるので、素直に喜ぶのは早計。2年前同月比を算出すると、案の定大きなマイナスのまま。さらに2年前というと、消費税率引き上げに伴う価格帯の大幅な底上げを挟んでの比較になるから、それでもなお客単価がマイナスってのは、相当にヤバい。つまりそれだけ、来たお客でも購入商品を減らしていることになる。税率引き上げ前後で同じ商品を買っていれば、少なくとも客単価は税率分ぐらいは上がるはずだから。

ぶっちゃけると状況は改善云々ってわけではなく、悪化の加速化が止まったかな、一部ではようやく悪化スピードが緩やかになってきたかな、という程度。ただ、以前も触れたけれど、戦略面でのふらつきはむしろ大きくなっている感は否めず、今後この状況が維持され、売上を戻せるか否かは未知数。

マクドナルドがマクドナルドで居られるうちに、その長所を活かした手立てを講じる必要があると思うんだけどね。モスは牛丼チェーン店などと同様、高単価高品質モードにシフトしたようだけど、マクドナルドには少々難しいかもしれない。

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このページは、不破雷蔵が2015年9月10日 06:40に書いた記事です。

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