数字でみる再非行――再非行率の正しい理解のために 岡邊健 月刊少年育成 53(6) 22-27 2008年 http://t.co/9mavBgkdke 勉強勉強 pic.twitter.com/uz3lOQQEZK
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 9月 1
先日の記事【少年犯罪の再犯が約4割で平成以降で最高、との報道に関して首を傾げて確認してみたら】内の当方ツイートと記事初稿で当方自身も一部表記の上でごちゃごちゃになっていたところもあり、四方八方からツッコミやら何やらもあったことも合わせ、再確認の上で覚え書き。
「再犯罪者率」というのは、特定期間の刑法犯の全体人数における、再犯者の割合。つまりある1年における、刑法犯(初版者と再犯者(複数回含む))における再犯者(複数回含む)の割合。公開統計の数字からザックリと計算できる。刑法犯の数、その刑法犯のうち再犯者の数は明記されているのだから。
一方、「再犯率」というのは犯罪を犯した人物が、再犯をするかしないかの割合。10人犯罪を犯した人が居て、そのうち3人がチェック時点で複数回の犯罪経歴がある場合、再犯率は30%となる。詳しくは上のツイート内のリンクから取得できるPDFファイル内の文面解説で確認ができるけれど。特定の年の「刑法犯で捕まった人」と「その刑法犯で捕まった人のうち再犯だった人」だけをカウントしても、(犯罪者数の上での)「再犯罪者率」は計算できても、(個々の対象の再犯をしたか否かの確率となる)「再犯率」は計算できない。
あえて少年犯罪の再犯者率ではなく再犯率を算出しようとするのなら、個々の追跡調査をしなければならない。これは警察庁のデータでは精査は不可能。
で、先の記事のデータの話に戻るけど。少年人口の減退もあわせ、少年による刑法犯者数そのものも、再犯者数も減っている。けど、前者よりも後者の減り方が小さい。結果として再犯者率が上昇してしまっている。刑法犯として捕まった少年の多くの割合が、再犯者だったという次第。繰り返しやってしまうタイプの犯罪が増えている、ではなく減り方が小さいということかな(再犯者数も減っているのだから)。
この辺りはリソースがあれば、該当年齢人口に占める比率を算出して精査予定。ただし、人数が少ないのでぶれが生じる可能性が高いんだよね。その辺が躊躇している理由の一因でもある。
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