ウェブ漫画のスタイルについて現状をちょっと見直してみた

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朝方、ツイッター上のタイムラインで深夜中に進んでいた話を読み返し、いくつかのウェブ漫画の更新情報が並んでいるのを見て、ちょいと頭に浮かんだことの覚え書き。実際には他にも色々とスタイルはあるのだろうけど(例えば完全広告モデルと、PDFなどでのデータ渡し販売型のマンガ図書館Zとかね)、出版社が運営してるようなウェブ漫画ポータルとか、アルファポリスなどは、「連載時の雑誌一冊分を一回として定期的に更新する」と「雑誌掲載一回分を分割して毎日小刻みに掲載する」的なスタイルに分けられる。後者は特に4コマ漫画に多い。雑誌一回分を10本とか15本にわけて、1日1本で数週間に渡って掲載し、しばらくおやすみ、また連続して毎日......という感じ。

このスタイルだと、前者はともかく後者の場合、1本1本における独立性がやや強くなる、そして前日までの作品はすぐに読み返せる特性があるので、普通の紙媒体の雑誌における掲載とは、ストーリー構成をやや変えて、工夫する必要が出てくる。

そしてウェブコミックは原則無料公開。広告を入れてもいいけど、読者にそれが原因で離れられたら元も子もないので、出来ればない方が良い。そして連載がある程度集約されたら、ウェブからは第一話とか第二話位までを残して、紙媒体として単行本化する。単行本化されていないものはまだウェブ上に残していく、と。

このスタイルなら、ウェブ掲載時にある程度人気のリサーチができるので(もちろん無料のウェブ閲覧と紙媒体での有料購入読者の層が完全に一致するわけではないけれど)、出版側もリスクを減らせる。人気が無いものは単行本化する必要はないから(契約上そうなっていれば)。ウェブ掲載時には原稿料を極力抑え、その分単行本時の印税率をちょっぴり上乗せすれば、インセンティブ制として書き手側もやる気が出る......一因にはなる。

紙媒体でなくて電子書籍化なら、全ウェブコミックの「単行本」化も可能では、との話もある。でも電子書籍化にもリソースは要る。もちろん在庫管理のためのリスクは減らせるけれど。

このタイプのコミック展開が増えてきた場合、ウェブコミックの数そのものは増えるので、良い作品、自分にマッチした作品を探すのが難しくなる。そのためにも、ウェブ上のコミックで良いものを見つけたら読みまくり、そして感想をどんどん第三者に知ら示していく。もちろん紙媒体としての単行本が出たら購入。これまでの紙媒体の雑誌の場合、雑誌掲載時の支援はその雑誌を購入する必要があったわけだけど、ウェブコミックの場合は無料で閲覧できるので、その分気が楽かもしれない。


書き手側としては上でも触れているけれど、紙媒体上の展開とは異なる構築方法や技法が必要となる。スマホだと見開きが見にくいってのは、ハッとさせられた。確かにそりゃそうだ。また、法人運営のウェブコミックに限らなくても、ツイッターなりFacebookなりPixivなどを上手く組み合わせて、周知をしていくことにより、運と実力があれば道が開ける可能性は多分にある。まぁ、これは以前と同じではあるけれど、打つ手が増えたという点ではありがたい話。

何にしてもマネタイズってはとても大切なお話。創作活動を続けるためにも必要だからね。


ウェブ連載→紙媒体化とウェブ上の掲載は「つかみはOK」レベルまでにカットってのは、「つかみ」をいかにうまく見せるか次第。まぁキンドルのお試し版部分は大抵最初の数ページぐらいまでだから、そんなもんだろうとの認識もあるんだろうけど。要は文体とか絵柄、作者の癖が分かれば良いってことなのかな。ただ、掲載される分量が限定されると、検索エンジン回りで不利になるのかも。それが「ネットから新規読者を拾えなくなるんじゃないのかい」の一因かな(もちろん、ある程度読み進んでようやく「面白ッ」判定をする人も多分にいるのだろう。ただ、大量のウェブ掲載版を残したままでの紙媒体の出版は「これだけあるから紙媒体版は買わなくてもいいや」派が出てしまうので、仕切りが難しい)。

ネットから新規読者を拾うためには...やはりウェブ掲載時に多くの人に見てもらうような一層の工夫と、制作側だけじゃなく、ファンからの情報発信も必要なんだろうな。その意味で、コミック系の作品やゲームにおけるファンアートってのは、大きな威力を持つ気がする。絵が描ける人なら、応援したい作品がある時には、積極的にファンアートを創り上げてアップするのも一つの手かもね。

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このページは、不破雷蔵が2015年9月 7日 08:06に書いた記事です。

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