固まったポッキーみたいだけど...過去の偉物も現在視点で見ると別のものに見えてくる・「平等院の木造雲中供養菩薩像」の場合

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これも一種のジェネレーションギャップ的なものかもしれないなあ、という小噺的なお話。歴史書とか博物館のカタログなどでよく見かける、昔の人が創ったさまざまな造形も、今のセンスで見ると、別のものに見えてしまう事って結構ある。当時にあって今は無いもの、今はあるけど当時はないもの。そのギャップがある特定のものを別のものに転換させて見せてしまう。演出効果的な恩恵の力を示した効果線がビームに見えたり、ってのはよくある話。

今件も仏像が手にしているのは拍板(白板)という名前の楽器。「何枚かの堅い木板に穴を開けて革ひもで結び、両手でもって打ちたたき音を出す楽器」とのことで(【「拍板」(はくばん)木の音色】)、それの類似系はあるものの、そのものは伝承されていないのだそうな。

で、それが、加熱してしまいチョコの部分がすべてくっついたポッキーの塊に見えてしまう、と。......まぁ確かに「拍板」という楽器を知っている人などほとんどいないから「例のポッキーの塊」としてイメージしても仕方があるまい。


当方は最初こんな感じで「南京玉簾の芸のルーツ」的なツッコミをしたわけだけれど、そんな感じにも見えなくもない。南京玉すだれ自身は楽器ではないけれど、「拍板」に近しい楽器「笏拍子」の様相を見ると、結構使い方は似ていたのかもしれないな。

今の社会状況も、下手すると数十年の単位で、こんな感じでちょっと誤解されたような状況で語られてしまう物品も出てくるかもしれないな。すでに携帯電話周りがそれに近い感じがする。

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このページは、不破雷蔵が2015年9月 8日 06:21に書いた記事です。

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