①「痴漢は犯罪です」のポスターが頭悪いなどのTWが相次ぎ公式RTされてくるのですが......今朝方もいくつかの記事で言及しましたけど、隅から隅までしっかりと読んで認識する人ってあまりいないのですね。だから単純で明確なフレーズの方が周知はされやすい。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 9月 21
2015年に入ったにも関わらず、今なお前年版のポスターも見受けられる、関東エリアの鉄道事業者間の痴漢犯罪撲滅キャンペーンに係わる啓蒙ポスター。多数の、というわけではないけれど、ちらほらと定期的に回ってくる意見として、このポスターに関して、頭が悪い、痴漢行為者及びその予備軍がこのポスターを見て踏みとどまるわけがない、法的用件をずらりと並んで強圧をかけた方が良いなどの話がある。要はペナルティを明確化することで、押しとどめさせようというものだ。
一理ある......ように見えるけれど、実のところ、その考えは正しいとはいえない。駅のポスターにそのような法的文面を書いたところで、目に留める人はどれだけいるのか。行為者あるいはその予備軍的な人はさらに読まないであろうし、読んで押し留まるようなら最初からしていない。そもそもポスターの類は、足を留めてじっと隅から隅まで読むことは前提とされていない。閲読を余儀なくされる説明書の類では無いのだから。
ポスターは概して、単純で明確、分かりやすいフレーズの方が好ましい。パッと見、印象で理解ができるようなもの。そしてこのポスターに限れば、対象は行為(予備軍的な)者というよりは、その他大勢の利用客への啓蒙が大きい。該当行為へ積極的に対応し、被害者自身も声を挙げることで、即時対応される環境が一層期待できる。すると間接的に、行為者へのストッパーにもなりうるという次第。
表示されている文字を単純化しているのも、パッと見で済まされるポスターならではの特徴。人ってそんな記憶力が良い方では無いからね。瞬時の判断でさらに読み進めるか、次に関心を移すかを決める。長いものはよほど興味があるものでないと素通りしてしまう。ヤフーのタイトル一覧が13文字以内ってのも有名な話。あと、これを悪用した事例も現在進行形でいくつか。以前言及したけど「徴兵制」「ヒトラー」「戦争法案」「独裁」などが好例。
なので、本来ならこのポスターの文字は「痴漢」のみでOKですらある。本当は。中央にでかでかと。ただそれだと不意味感が強いので、会話仕立てにしている。ただし、各セリフは極力短く、ぱっと見で状況が分かるように。そして一番強く押したい部分は大きな文字で。今ポスターなら、被害者が声を挙げてくれなければ周囲の対応も出来ないことから、女性の声が一番ビッグなものとなっている。
まぁ、痴漢をする側、その予備軍に効果のあるビジュアル、コピーがあるのなら、それを使うのも一案なのだろうけどね。そのようなものがあるとは思えないし、上にもある通り、そもそも論として読まないからねえ。
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