紀州犬への13発の発砲事案と新聞記事の伝え方と

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千葉県松戸市の未明の住宅街で、突然13発の銃声が響いた。暴力団の抗争ではない。3人の警察官が銃口を向けたのは、住民らに相次いでかみついた紀州犬。なぜ13発も撃ったのか?

先日逃げ出した飼い犬の紀州犬が警官の発砲で射殺された事案。CGによるイメージカットがコラージュされて巨大化した紀州犬の画像が出回り、色々と誤解される部分もあるのだけど、その事案に関して先日こんな報道があった。タイトルは「犬に13発、千葉県警に意見600件 射撃の腕の問題?」。見出しも上のような感じ。

最終的に......というかヤフーに転送された部分だけでなく、元々の朝日新聞の、しかも登録者で無いと読めない部分まで読み解けば、ある程度理解はできるのだけど、記事タイトルや誰もが読み解ける部分だけで目を通すと、警察への批判的色が非常に濃く出ているのは認識できる通り。今件は多分に事件直後から「警察は何をやっている、能力不足的な報道」「それを読んだ視聴者・読者が警察への不信感を煽られる」「『利用者の需要』に応えるかたちでさらり煽り注目を引き付ける」といったマッチポンプ的な雰囲気は否めない。加えてそれが公的機関への反発を併せ持つならば、報道機関としての矜持も底上げされる。


実際のところ、条件を冷静に鑑みれば、むしろ十分以上の評価に値する結果でしかなく、記事題名や本文のあちこちに漂う「警察の不手際」を誘導するような雰囲気には違和感を覚えざるを得ない。

こんな一事案のささいなことに目くじらを立てることはないじゃないか、とする意見もあるかもしれない。それも確かに一理ある。ただそれが単に今件だけならば、その通りだろう。けれど、似たようなスタイルでの「報道」がそれこそ連日のように繰り返されていたら、それを受け取る側はどのような反応を示すだろうか、いかなる印象を刻むだろうか。

書かれている内容の事実部分は事実の通りだが、それに肉付けする部分の書き方次第で、受け取り手はいかようにも異なる印象を受け取ってしまう。自戒の意味も込めて、十分な留意が必要に違い

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このページは、不破雷蔵が2015年10月 9日 07:48に書いた記事です。

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