イギリスへの暴徒的大量乱入、ドイツでは「もう限界かも」発言...欧州の移民・難民問題は悪化へ

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トンネルを運営するユーロトンネル社の報道担当者によると、移民らは集団で警備要員らを襲い、フェンスが設置されていたカレー側のターミナルに侵入した。警備要員にけががあったかどうかについて、同担当者はコメントできないと述べた。

「今年いっぱい持てば良い方かな」とちらほらと触れている、ヨーロッパへのシリアなどからの大量の移民・難民の移動問題。CNNの「コメントできない」は事実上の肯定と見て間違いない。今件状況ならばケガをしていなければ「していない」と言及すればそれで済むからね。

記事タイトルで「暴徒」との表現を用いたけれど、もちろん全部が全部そうだというわけでは無い。ただ、確率論的には低くても、母数が大きければ、その絶対数は相応のものとなる。そしてこの類のものは連鎖で拡大していく(難民・移民の移動そのものも連鎖反応的なところが大きい)。


状況は思った以上に悪化している感じは否めない。イギリス側もそろそろ堪忍袋の緒が切れる可能性はある。で、なぜイギリスを目指すのか。


ここらあたりに詳しい説明がある。要はイギリスの方が条件が良いから。英仏の対立も激化していることもあわせ、イギリスが強硬措置にシフトする日もそう遠くないと踏んでいる。


善意を成すためには成す側の相応な余力が必要で、その余力が損なわれるリスクが現実のものとなれば、善意をするモチベーションが吹き飛び、自己防衛本能が優先されるのは、人の性(さが)というもの。

ドイツも事実上ギブアップ宣言を出したようなもので、受け入れの容量としての限界はそう遠くない。一方で、スタンピード化した流入者は今後さらに増えるだろうし、ドイツで対応してもらえなかったら東側には戻らずにイギリスへ行こうとするパターンは増えるだろう。イギリスの強硬策への転化リミットはさらに前倒しとなり得る。

ISISなどへの爆撃で中東情勢を安定化させて、移民・難民流出を止めさせようとの動きもあるけれど、すでに足の引っ張り合いも始まっているし、ここまでごちゃごちゃになった以上、ヨーロッパに移動する動きは止まらないと思う。例のジャスミン革命と同じで、悪い方向に進むのが分かっていても、全体として加速がついているので、止められない。ゲーム感覚で一度全部更地にしてしまって一からやり直すぐらいしか、まともな方法が見つからない。それともあの地域を国連統治下とするとか?

今件の動きを世界史の上で良く知られている「ゲルマン民族の大移動」になぞらえる人もいる。債務危機からようやく脱しようとしているEU諸国のさらなる混乱のトリガーとなり、結果として多様な情勢変化が生じることになれば、恐らく似たような形で語られることになるのだろうな。ただ、昔と違って「空白地」の類がないので......問題はより複雑な事となるに違いない。

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このページは、不破雷蔵が2015年10月 5日 06:51に書いた記事です。

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