「草の根」ならぬ「人工芝(Astroturf)」運動
1985年ごろから使われている表現とのこと。文字通り、ニセの草の根運動のことです。企業や業界、政党などが、自然発生的な市民運動にみせかけて仕掛ける運動。 pic.twitter.com/iMeoZceD1B
政治的目的に限らず、商業的な宣伝・マーケティングの手法として、一般消費者の自発的行動を装ったやらせの意味でも用いられる。
先日【テレビや雑誌に出ている「普通の主婦」「ママさん」は本当に世間一般の、普通の人だろうか】でも触れた、「アストロターフィング」という話。要は、不特定多数の一般市民の間から自然的に発生した運動を、雑草が生えるがごとくの状況をイメージして「草の根運動」と評するのに対し、それと似たような運動、状況を団体や組織が背後に隠れて炊きつけて拡大化させ、意図する方向性を持った草の根運動を起こす事。さらには運動そのものがヤラセ的・サクラ的な草の根運動であること。特定の団体の思惑が、あたかも世間一般、全体としての動きであるかのような誤認をさせるのが目的。
表現方法としては1985年頃から使われているとのことだけど、切り口としてはもっと前から存在したのだろう。また手法の一つとして「一般市民を装って多量の意見書簡を送りつける方法が古典的なもの」との説明もあるけれど、現在ではネットを使ってもっと容易にできるのは御承知の通り。以前も指摘したけれど、「若者」をことさらに強調して若年層全体の意識であると誤認させている某なんとかズとか、さらには「沖縄全体の意志である」と評させている事案とか、まぁ思い返せばきりがない。
似たような言い回しとしては「プロ市民」ってのがある。一般市民を装い、報道時にも「市民団体」的な表現をされることが多いけれど、大よそはその類は実のところ、「左翼団体」だったりするわけで。普通の、本当の、今件ならばホンモノの草の根運動と、「プロ市民」「人工芝運動」を一緒くたにして報じられるのでは、本物の方もイメージダウンをしてしまう。
実際、「市民団体」「草の根運動」などの表現による対象は、大よそいかがわしい、胡散臭いイメージがついてしまっている。正しい情報を精査して教え解く報道が、成すべき仕事をしていないってのも、大きな原因なんだろうな。
ともあれ「アストロターフィング」「人工草の根運動」ってのは、今の世の中では結構あちこちで見受けられる。覚えておいてと損となる話ではない。
コメントする