7月生活保護世帯、過去最多を更新=厚労省(時事通信) - Yahoo!ニュース http://t.co/oqCyeJgfEc 先ほどのをざっくりとまとめてコメント済
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 10月 7
被保護者調査(平成27年7月分概数)(厚労省) http://t.co/P5SAJoVexE pic.twitter.com/cAVkORh6It
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 10月 7
内部資料はともかく公開資料では「高齢独居世帯」の受給者数までは分からないので、あくまでも高齢者世帯(高齢者のみか、それに加えて18歳未満の者のみの世帯。単身世帯もあり)でくくった上での話だけど、その高齢者世帯の受給率が全体の半数近く、49.3%に達していることを受け、いくつか言及があり、ちょいと気になって調べた次第。「ちょいと」ってホント、5分ぐらいで終わらせるつもりだったのに、なかなか目当てのデータが見つからず、気が付いたら一時間以上が過ぎていて「俺は何をやってるんだ」的状態。
まぁ、ともあれ。
高齢者世帯の定義は構成員が65歳以上、あるいはそれに18歳未満が加わった世帯。国民生活基礎調査(2014年分)によると、65歳以上単独世帯は男性190.9万世帯、女性404.9万世帯。65歳以上のみで構成される夫婦世帯は580.1万世帯となる。よって、単独あるいは夫婦双方とも65歳以上世帯は1175.9万世帯。今回発表された生活保護を受けている高齢者世帯は79万8609世帯なので、概算で65歳以上のみで構成される高齢者世帯において、生活保護を受けている割合は約6.8%。となる。まぁ高齢者世帯の15世帯に1世帯は生活保護世帯。実際には母数に、高齢者に加え18歳未満の者が加わった世帯があるため、もう少し値は下がるけどね。
一方、国勢調査だと明確に分かるけど、これは5年おきで、直近は2010年分。これによると単身、夫婦、18歳以下の者を含めた高齢者世帯は941万5444世帯。この値を用いると8.5%になる。見方を変えるとこの数年で高齢者世帯はグンと増えているんだな、と。
他方、生活保護を受けている世帯、特に高齢者世帯の家計に関する公的データは見つからず。民間ベースまで下りればいくつかあるんだろうけど、不思議にこの類のってないんだよね。一人二人の個々の感想ベースで出てくるぐらいで、しかもほんの一部だけ。その人の背景とかもぼやかされた感じ。いや、プライバシーの問題があるのは分かるのだけど、母子世帯や高齢無職世帯などは公的ベースで家計の内情も平均値としてみつけることができるのだし......。
ちなみに国民生活基礎調査によると高齢者世帯において所得が公的年金のみの世帯は54.2%、所得のうち年金が8~9割に達している人は10.9%、6~7割は11.5%。高齢者の持家率などは高いので多くは家賃の負担はあまり考えなくてよいとして、退職までの蓄財や退職金、私的年金の類がどの程度使われているのかなど、家計動向が分からないのが気になる所。それらの備えはいったいどこにいったのかな、と。
で、今件に絡んで「とにかく公的年金の受給額が足りない、増やせ増やせもっと増やせ、現物支給もしろ」という意見も見受けられる。専門家的な人達からも。でも、政府が行う各種政策に対する総リソースの配分や、拡大再生産の概念が欠けていると、「他はどうでもいい、見なかったことにする。とにかく俺の分け前を増やせ」にしかならないんだよね。「もっと寄越せ」と気勢を上げることで目立つのは良いのだけど、現実味に欠けているんだよね。なぜ公的年金「のみ」での生活が前提になっているのかなぁ、と。
上記データにある通り、また、生活保護の仕組みを思い返せば、保護を受けている人は多分にそれまでの備えは無く、公的年金のみなのだろう。あるいはそれすらないのかもしれない(その辺りのデータも欲しいところだな)。ではなぜ無いのか。母子世帯とか交通事故などで障害を負って生活保護を受けねばならなくなった事例と比べ、どこが違うのか、同じなのか。アリだったけれどたくわえが不足してしまったのか、それともキリギリスに過ぎなかったのか。その辺を検証できる「公的」データが欲しいところではある。
コメントする