当社メディアにおける不正な広告記事についてのお詫び(ロケットニュース24)
「提供表記のない広告記事(以下、「本件広告記事」と申します。)を掲載していたことが判明いたしました。」 http://t.co/lhfxLROe7c pic.twitter.com/B1fqTWCaUA
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 10月 8
本件広告記事は、弊社従業員が弊社に無断で販売し、私的な利益を得ていた不正なもので、弊社が販売する正規の広告記事とは異なります。現時点では、2014年頃から販売されていたことが判明しております
いわゆる自称バイラルメディアやらキュレーションやらネイティブ広告の展開と合わせ、単なる記事と広告記事と広告の境目を曖昧にして、広告効果を押し上げようとする動きが進むに連れて、読者側の記事への信頼感そのものが減退し、メディア単位での信頼損失にまで至る状況が生じている中で(要は「広告だと見てもらえない」「記事っぽい広告にすれば見てもらえる」「広告と記事の区別ができない」「じゃあどれもこれも広告っぽいから信頼できないよな」てな流れ)。
で、【Yahoo!ニュースがいわゆるステマ記事の徹底排除に本腰を見せ始めたとの話】にもあるとおり、ヤフーがステマ(ステルスマーケティング。普通の記事のふりをして広告記事を挙げるのが好例)記事排除の動きを示した。他メディアから取得した記事を配信しているポータルでこの動きを示し、「ステマはダメだ、いけないんだ」との姿勢を示したのは、非常に影響が大きかった。ヤフー向けに配信している各メディアは、実質的にステマチェックが求められることになったから。
そして今回、ロケットニュース24とポーチで、「提供表記のない広告記事」、つまりはステマ記事が掲載されていたことが判明しました、記者が無断で企業と約束してステマ記事を掲載し、利益を得ていた云々ということが発表された次第。両者ともヤフーをはじめポータルサイト系サイトにニュースを転送しているから、それらのサイトにもステマ記事が掲載されたことになる。問題は極めて深刻。
ただねえ......。
「現在、さらなる事実確認及び原因の調査を早急に進めており、関与した社員に対して厳正な処分を行う予定」とはあるけれど、そして現時点で不正が発覚した、それっぽい記事は削除したとあるけれど、該当した人物が誰であるのか、そしてどの記事が対象なのかを明確化していないのは、かなり問題ではないかな、と。人物云々はともかく、記事に関しては、かつて読んで信じてしまった人がいるのだろうし、それを精査する意味でも、「これとこれは、実はステマでした」ってのを明確化する必要があると思う。さもなくば、「個人の所業で企業全体のものではない」という主張も、トカゲのしっぽ切りではと疑われてしまう。
加えて。「2014年頃から販売されていたことが判明」とあるけれど、約1年もの間、関係者が誰も気が付かなかったってのは、随分とナニな体制だったのかな、という気もする。恐らくは薄々感じていたのかもしれないけど、やはりヤフーの「ステマやめませう」がトリガーになったんだろうなという感はある。
今後どのように決着をつけてくれるのか、注意深く見守りたいところだ。
まぁ、似たようなライト感覚的なニュースサイトで、広告記事だかなんだか分からないようなものとか、一応広告とは銘打っているけれどカテゴリ部分に「広告」とあるだけでざっと読んだ限りでは分からないじゃん的なものは山ほどあるからねえ。そして読み終えた後にそれが広告だと分かると、例え書かれている内容がどれほど素晴らしいものでも、「何だ広告か」と、すべてがちゃぶ台返しされてしまう。
ステマ広告はもちろんだけど、ネイティブ広告の類も結局のところ、炎上商法とあまり変わらない気はするのだけどな。
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