小規模企業共済と中小企業倒産防止共済、自由業・自営業なら知っておきたいしくみ

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世の中の仕組みっては往々にして知っておいた方が得をするのだけど、そしてそれなりに告知はされているのだけど、なかなか浸透しないものが多く、さらにはそれを逆手にとって「わざと情報を隠ぺいしている」と声を荒げる人もいる。今件取り上げられた小規模企業共済もその一つ。

漫画家や執筆業などをはじめとした、自由業、自営業を中心とした個人事業主向けの制度で、就業者には無縁の話。だけど自由業・自営業では金銭面における横のつながりがあるようで結構ないもので、この類の情報も伝播されにくい傾向がある。使ってお得な制度を知らずに使えず、後になって「知らなかった、そんなの...」と後悔するのもアレなので、それを一人でも多くの人に避けてもらうためにも、覚え書きとして。

大よそは上にある通り、あるいはリンク先の公式サイトにある通り。簡単にまとめると、国民年金基金みたいなもの(物凄い雑な表現)。ただし国民年金基金が国民年金同様に月額での定額支給となるのに対し、小規模企業共済は一括で払い戻される。だから国民年金基金的な制度の自己退職金みたいなものかな。


「自己退職金なら普通に貯金すればいいじゃん。似たようなもので自動積立定期ってのがあるし」。まさにその通り、なんだけど、小規模企業共済の場合は積立金に関しては税法上の優遇措置が受けられる。これは大きい。自由業・自営業なら確定申告はしているはずだから、この優遇措置の素晴らしさは容易に理解できるはず。課税所得を減らすことができれば、所得税以外に住民税も、国民健康保険料も安く済む。

また、積立額に応じて、きわめて低金利で借り入れをすることもできる。要は金銭的な保険の意味合いもあるわけだ。「儲け話では無い」と語られているけれど、税金の計算の上では有利になれるのだから、間接的には儲け話と同じ。しかも賢い、誰も損をしない儲け話。


こちらはさらに知名度が低いのだけど、似たように個人事業主向けの制度として存在する、連鎖倒産防止のための制度。掛け金は事業所得の必要経費に算入でき、条件に合致するトラブルが生じた時に、掛け金総額に応じた額を低率で借り入れることができる。また、40か月以上継続して契約していれば、その後は解約した際に100%掛け金は戻ってくる(解約手当金は税法上、個人の場合は事業所得の収入金額となるので、それなりの税金はかかるけどね)。要は税制上の優遇措置を受けられ、かつ金銭面上の保険も受けられる、預け入れ金制度みたいなものだ。

まぁ、いずれの制度も覚えておいて損は無い。周囲に該当しそうな職の人がいたら、こんな制度があるけれど知ってる? 的に教えてあげるとよいかもしれない。

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このページは、不破雷蔵が2015年10月16日 08:10に書いた記事です。

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