工事を控え、勤務館の大量の写真を整理。紙焼き写真やネガがあまりに多いのでデジタルスキャンしてフィルムは破棄しようとして、ふと昔の記憶が蘇える。確か昔光学カメラからデジカメに切り替えようとした時、デジタルデータの記録メディアの寿命が驚くほど短かいのを知り、ためらった記憶がある。
— 田島整@伊豆下田 (@wakeneko2005) 2015, 10月 14
ネット上にクラウド的な感じで情報が山ほどあることから、つい失念してしまいがちなんだけど、特定のメディアに情報を収めた場合、そのメディア自身の物理的寿命を覚えおく必要がある。メディアそのものの技術進歩のスピード感がありすぎて、あっという間に新メディアへの移行がなされ、その際に情報の転送を怠ると、再生できないメディアに大切な情報が封印されたままとなり、下手するとそのメディアの物理的劣化と共に情報自身が失われてしまう。
磁気系のメディアは使用しやすいのは事実だけれど、年単位で考えると保存性に劣る。逐次新しいものに転送すれば良いまでの話なのだけど、日々新しい情報は送り込まれ、その処理と記録にリソースが費やされ、過去の分の転送は後回しになってしまう。官公庁の各種データベース、特にe-Statにおいて、紙資料なら山ほどあるはずの昔のデータがほとんど収録されていないのは、つまりそういうこと。過去の分を数字化・データ化してデータベースに組み込むためのリソースが不足しているのだよね。下手するとPDFに取り込んだ画像データそのものが収録されていて「あとは自分で手入力してね」的なものもある始末。
あれから20年も経つのだからと思いつつ調べてみて再び驚いた。DVD-Rは10~20年、フラッシュメモリは5~10年、HDは5年ほどの寿命しかないらしい。対するカラーネガフィルムの寿命は30~50年、白黒100年、マイクロフィルムは500年。紙は酸性紙でも50年程度。現物保存決定。
— 田島整@伊豆下田 (@wakeneko2005) 2015, 10月 14
中性紙なら保存状況によっては700年以上は持つという。「絶対に失いたくない大切なデータは紙保存も併用すべし」という意見が散見されるのには驚いた。まさかの紙最強。確かに我が勤務館の天平写経などは1200年の年月を経てパリッと現役だものなぁ(^^)
— 田島整@伊豆下田 (@wakeneko2005) 2015, 10月 14
@wakeneko2005 .。o○素人ウオッチャーの戯れ言ですが、紙と墨は1000年残るんでしょうが...着色絵画は鎌倉期以前のものは原型を失うものも多く...明治期の写真は色茶けてぼんやり...
大事なものは写真も含めて墨で模写して残すのも考えた方が後世に残るかもしれません。
— 寺旅人(てらたび)#米原山城サミット!! (@TERATABIST) 2015, 10月 14
@TERATABIST 記録として考えればそれもありかも知れません。コピー書類のトナーなどはやがて剥落してしまいますから。でも美術作品などはやはりデータが重要と言うよりは、色彩表現は命ですからね~。保存性よりも作品としてのクオリティをとりたいでしょう、
— 田島整@伊豆下田 (@wakeneko2005) 2015, 10月 14
紙の資料は比較的残りやすいけど、それも昔の和紙とかならともかく、今の酸性紙は案外寿命が短い。保存専用の書類には中性紙を使った方がいいなぁ、と劣化した出力データを見ながら後悔したことも。まあ最近はプリンタ用紙にも中性紙が増えているし、明記もされているので、極力そちらを選んだ方が良い。紙の出力以外に、「データ」の圧縮という観点では、フィルムに焼く方法もありなのかもしれない。
まぁ、SSDあるいはフラッシュメモリをバックアップ的、保存庫的なものとして使うのならば、寿命問題はある程度解消するとの考え方もある。元々半導体だから。
平時の短期保存に向くメディアなんですよね>電子媒体
紙にしてしまえば利便性は失われますが、堅牢性は増すかな。
燃えるので石や金属板には負けると思いますが。
— KGN (@KGN_works) 2015, 10月 15
3Dプリンタで石板を作るのが一番無難かなあ、という冗談はさておくとして。上記の指摘にある通り、半導体による記録は石板に刻むのと概念的に似ているし、耐久性でも近いところがある。数年で一般のハードディスクと費用対効果の点で肩を並べるとの推測もある。それがもし実現すれば、記録保全の観点では革命に近いものが起きるかもしれないね。
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