記録、情報の保全の難しさとメディアの特性と、そして手元の「資料」と

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ネット上にクラウド的な感じで情報が山ほどあることから、つい失念してしまいがちなんだけど、特定のメディアに情報を収めた場合、そのメディア自身の物理的寿命を覚えおく必要がある。メディアそのものの技術進歩のスピード感がありすぎて、あっという間に新メディアへの移行がなされ、その際に情報の転送を怠ると、再生できないメディアに大切な情報が封印されたままとなり、下手するとそのメディアの物理的劣化と共に情報自身が失われてしまう。

磁気系のメディアは使用しやすいのは事実だけれど、年単位で考えると保存性に劣る。逐次新しいものに転送すれば良いまでの話なのだけど、日々新しい情報は送り込まれ、その処理と記録にリソースが費やされ、過去の分の転送は後回しになってしまう。官公庁の各種データベース、特にe-Statにおいて、紙資料なら山ほどあるはずの昔のデータがほとんど収録されていないのは、つまりそういうこと。過去の分を数字化・データ化してデータベースに組み込むためのリソースが不足しているのだよね。下手するとPDFに取り込んだ画像データそのものが収録されていて「あとは自分で手入力してね」的なものもある始末。


紙の資料は比較的残りやすいけど、それも昔の和紙とかならともかく、今の酸性紙は案外寿命が短い。保存専用の書類には中性紙を使った方がいいなぁ、と劣化した出力データを見ながら後悔したことも。まあ最近はプリンタ用紙にも中性紙が増えているし、明記もされているので、極力そちらを選んだ方が良い。紙の出力以外に、「データ」の圧縮という観点では、フィルムに焼く方法もありなのかもしれない。

まぁ、SSDあるいはフラッシュメモリをバックアップ的、保存庫的なものとして使うのならば、寿命問題はある程度解消するとの考え方もある。元々半導体だから。


3Dプリンタで石板を作るのが一番無難かなあ、という冗談はさておくとして。上記の指摘にある通り、半導体による記録は石板に刻むのと概念的に似ているし、耐久性でも近いところがある。数年で一般のハードディスクと費用対効果の点で肩を並べるとの推測もある。それがもし実現すれば、記録保全の観点では革命に近いものが起きるかもしれないね。

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このページは、不破雷蔵が2015年10月19日 07:55に書いた記事です。

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