「最近の若者は根性が足りない。すぐに会社を辞めてしまう」との話だが

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先日当方のツイッター上におけるタイムラインで「若者の就業離れ」ではないけれど、根性が足りなくてすぐに会社を離れてしまう云々との話がいくつか廻ってきて、それに絡んでこんなグラフが。まぁ中身は厚労省の関連発表データで、結構有名なものではあるのだけど、指摘の通り「昔は根性があった、今は無い」ってのは、正解では無いよね、的な。少年犯罪とか大学の授業料と似たような構造かな。発言者の頭の中の別世界での物語、あるいは情報のアップデートが適切になされていない。

離職率は景気と反比例する傾向を見せている。特に直近の金融危機ぼっ発以降の動きが顕著である。これは「不景気≒再就職困難≒離職を断念する(離職検討理由を我慢する)」との流れによるもの。見方を変えれば「好景気≒再就職容易≒離職決意のハードルが下がる」と考えることができる。


ただし労働市場面での景気の悪化度合いが一定度を超えると、本人は望んでいなくとも(実質的)会社都合による解雇・離職の事例が増えるため、離職率は上昇してしまう。もっとも、2003年あたりから金融危機が始まる2007年までは、景況感は必ずしも悪くないものの、減少傾向が確認できる。失業率はこの時期に大きな減退を示していること、この時期に非正規率が上昇していることから、労働市場の構造変化が影響しているものと考えられる。


ということで、本家サイトで分析した該当部分を抽出。もちろんこれも全体からみた傾向的な話であり、すべての人が該当するわけではないのだけれど、自分が新卒の立場にあったらどのような考え方をするのかを思い返してみれば、容易に理解はできるはず。加えるなら、非正規雇用の場合は就業した側も心理的に離職しやすい部分もあるんだろうな、ってのもあるかな。

もしかすると今件は、どこかの雑誌か新聞等で持ち上げられたものがトリガーとなっているのかもしれない。だとすれば近いうちに話題に登る可能性はある。その時には今件を提示すればそれで終了になる、ということで。

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このページは、不破雷蔵が2015年11月11日 06:21に書いた記事です。

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