設問方法次第で回答をどのようにでも誘導させうるという話

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先日インターネットによる調査は値がぶれやすい云々的な論文が出てきて問題視されたけれど、実のところインターネットに限らず調査・アンケートの類は、どのような手法を用いたかによって、回答、調査結果がかなりぶれることになる。

例えば人気のラーメン屋さんで食べている人に対し、単に「ラーメンは好きですか」と尋ねた場合、そこで「嫌いです」と答える人は滅多にいない。異物混入事件に絡んだ話を色々と説明した後で、昨今のファストフードの品質管理をどう思うかと聞かれれば、ネガティブな回答は出やすくなる。近年における未成年者が行った重大犯罪を例示した上で、昨今の少年犯罪は悪質化していると思うかと聞けば、多くの人がそうだと答えるだろう。

今件で指摘されている手法もまさにそのままで、一方で指摘されてはじめて、ああ、そういうことかと思ったりする。

思い返してみれば実のところ、この類の誘導尋問的な調査ってのは、何となくレベル、あからさまにこれは誘導だろう的なものも合わせ、結構見受けられる。ある程度の誤差が生じる程度の流れなら、誤差範囲で目をつむったり、あるいは解説部分で補足説明をするけれど、今件指摘のような組ませ方の場合、ちょっと首を傾げ、単独で使うことはあまりしない。むしろ最終的に誘導したい論説に向けて行われる、前提部分の項目だけをチェックし、利用しちゃうとかね。

海外の調査、特に調査機関によるものの場合、どのような設問用紙を用いたのか、質問スタイルは、ウェイトバックの方法、調査対象母集団数などによる誤差の範囲をしっかりと表記している。小細工をしようものなら、調査をした場所全体の信頼度に係わるからね。日本の場合、報道機関ですら、その辺りの認識が薄い、というか無いにひとしいのが頭痛の種だったりする。

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このページは、不破雷蔵が2015年11月17日 07:10に書いた記事です。

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