転職の際の賃金と正規・非正規と

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厚生労働省「雇用動向調査(2014年)」によると、転職時に賃金が増加した者の割合から減少した者の割合を引いた賃金変動DIは、2006年以来の高水準となった(図1)。景気の緩やかな回復とともに、自らの知識やスキルを活かせる場やより良い待遇を求めて転職を行う自発的転職者が増加する中で、60歳未満の世代において、転職時に賃金が改善する動きがみられる。以下では、転職時に賃金が改善した背景について、より仔細に把握するため、転職時における産業間、企業規模間の移動や、雇用形態の転換について確認した。


転職における賃金の動向や、正規・非正規に係わる経年変化等を示したレポート。簡易的なものは当方も本家サイトで【転職者の正規・非正規状況をグラフ化してみる】でやってるんだけど、DI値の算出の概念とか、図4のグラフにおける「非正規から正規への転換」マイナス「正規から非正規への転換」の推移を示して、雇用状況における変移を見る切り口は参考になるなぁということで、覚え書きも兼ねて。ちなみに図4は、高齢者の早期退職・再雇用の部分は除いてある。これを含めるとごちゃごちゃになるから。

で、2015年は現在進行中の年なので、年次データとしては2014年までの値での精査となるけれど、少なくとも雇用市場・賃金の状況は改善の方向に向かいつつある、としている。まあ、これはこれで良い話に違いない。

今件レポートで、当たり前の話には違いないのだけど、ああそうかと思わせたのは「転職者が産業間を移動する場合、前職まで培ってきた産業特殊的人的資本が役に立たなくなることで、同一産業内を移動する場合よりも賃金の低下率は大きいと述べている」との話。確かに、過去の実績や経験を買われて引き抜かれたり、それを活かした転職なら賃金アップも望みやすいだろうけど、それが無く、単なる転職の場合はゼロからスタートとなるので、賃金は下がる可能性が高い。RPGで転職をすると、レベルが1に戻るのと同じ感じ。

加えて同じレポートにある「内閣府(2015)は、企業へのアンケート調査を通じて、企業が正社員への雇用シフトを進めていることを明らかにしている。」ってのは、恐らく【 景気統計 > 企業行動に関するアンケート調査】かな。


確かに傾向的には正社員雇用を増やす動きに転じている。まぁ、実数動向を労働力調査で確認しないことには、裏付けはとれないんだけどね。

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このページは、不破雷蔵が2015年11月22日 08:54に書いた記事です。

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