軽減税率導入したら、結局高所得者の方が税負担軽減しちゃうじゃん、という話

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消費税に絡んだ軽減税率に関しては、以前も【消費税の軽減税率導入問題に関する覚書】【軽減税率が原則存在しないデンマークと、消費税率を50%や100%にしてみたらという思考ゲーム】などで触れた通り、導入・運用コストがべらぼうにかかる、徴税や小売販売の際の混乱が際限ないものとなるし政治面でも色々と問題が生じるってことで、メリットはさほど無い、精々消費者の一部になんかちょっと得したかな感が出るぐらいで、だったらそもそも消費税率引上げする意味がないじゃん的な結論が複数出ている。というかすでに導入している他国でも似たような感じ。

ただ、一部の政党やら報道界隈やらが煽っているせいで「軽減税率を導入しないと死んでしまう」的な風潮になっているのも事実ではある。いや、逆に導入すると死んじゃうから、下手すると。それほど導入する必要があるんなら、税計算の上で面倒にはなるけれど、軽減税率の対象を全商品・サービスとして、実質消費税率の据え置き・引き下げにすればいいじゃん......ってのも以前触れた。

んで。導入しているイギリスでの事例のレポート。読んで驚いた。と同時に頭が痛くなってきた。

まぁ例の一つとして挙げられているクッキーとビスケットの話は比較的有名ではあるのだけど。世間一般に言われている「軽減税率の導入は低所得者のサポートになる」という話。結局のところ、それ以上に高所得者へのサポートとなるため、あまり意味がないじゃんってことになる。消費税の税率改定の大義名分の一つが、所得による不公平感の是正にあるのに、それを助長してどうする、だったら一律に税率を下げた方がいいじゃん、的な。

ぶっちゃけると所得によって消費税率が変更できるのならばそれがベストだけど、それは論理的に不可能。と、なれば消費方面で無く収入方面で......となるので、結局のところ所得税の累進課税強化が一番無難な話となる次第。あまり強化しすぎると、勤労意欲が落ち込んでしまうので、バランスが難しいところではあるのだけどね。

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このページは、不破雷蔵が2015年11月24日 07:07に書いた記事です。

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