漫画家先生の販促用の漫画や色紙、ペーパーってもしかして手弁当!?

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何度か取り上げたことがある電子書籍における値引きセールの時の印税の問題同様、読者サイドからは分かりにくい仕組みの一つに、書店・チェーン店単位での特典周りの話がある。多分に「書店は書籍をさばく重要なルートだから無くなったら困る。だからプッシュしたいけど書店のみ卸価格を下げるわけにもいかないし」ってことで、プラスαをつけようという試みによるもの。

昔から書き手先生のサイン会的なものはあった気がするけど、最近はペーパー(作家によるオリジナルのサンクスカット的なもののコピー)、簡易色紙、リーフレット、小冊子、イラストカード、設定資料集など盛り沢山。まぁ、ゲームなどの特装版と同じ感覚。

で、昨今この販促用アイテムの作成に、オリジナルカットが用いられることが増え、その作成に絡んで手弁当、つまり無料での制作らしい話をよく見聞きするようになった。編集部サイドから原稿料の類は出てないのかな。図版の著作権はどこに帰属するのだろう、とか色々と読者サイドから見ても気になる話。この辺り、案外グレーゾーンというか、いい加減なのかもしれない。

好きな作者のものなら、イラストや小噺的な作品でも、読みたいし、保存しておきたい。だからこそ価値が出るし販促アイテムになるってのは分かるけれど、それで原稿料の類が出ないのは、ちょっと気の毒な気がする。暫く経ってからで構わないので、それらも合わせて収録する形で、画集の類を出してほしいな、という気はする。採算性の問題があるのなら、CD版のみとかでも構わないし、それこそ該当作品の特装版として付録CD添付でもいい(昔はこの類のものあったはず)。

確実にその先生の手による作品が存在しているにも関わらず、販促アイテムだからと少数の手に渡ってそこでオシマイってのは、なんかもったいない気がするんだよね。単行本をずらりと並べても、その販促品に描かれた世界が、ぽっかりと穴を開けているような、残念な気分になってしまうんだよねえ。

まぁ、コストパフォーマンスの問題もあるので、全作家に対してってのは無理だろうけど。デジタルの配信技術が進み、販促用の特典が大量にばら撒かれるようになった昨今。その辺りも考えていいような気がする。

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このページは、不破雷蔵が2015年11月28日 07:54に書いた記事です。

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