「ドイツでは3分以上の停電はほとんどない、自然エネルギーで停電が多発するというのは嘘だ」
ドイツ企業「企業からしたら瞬間停電でも機材にとっては命がけなんだよボケ」
という心あたたまる批判が寄せられているもよう
— 神凪あゆり@運0屑提督 (@kry_nng) 2015, 12月 20
以前にもTWしたのだけど、ドイツでは3分未満の「瞬間停電」は連邦ネットワーク庁への報告義務が無い為、見かけ上の停電件数は少ない様に見えるが、「瞬間停電」による企業への被害は深刻な問題になりつつある様だ
https://t.co/jBGCIxJA11
— happysakiko (@happysakiko1) 2015, 12月 20
ところが、3分以内の「瞬間停電」は「停電」としてカウントしないという事実を伏せたまま、「ドイツでは年間平均停電時間が減少、これは再エネ拡大と電力安定供給は両立することを証明」と称賛するサギまがいの記事を時折見かける。↓が好例。要注意
https://t.co/8ptLyWGFEX
— happysakiko (@happysakiko1) 2015, 12月 20
https://t.co/9Hrgrxnpdj
この記事は「ますます信頼性が増すドイツの電力系統」と威勢のいい見出しは掲げたものの、最後に3分以下の停電でも生産部門に与える影響は看過できないと付け加えた、自然何やら財団と違って良心を捨て切れなかったライターによる記事
— happysakiko (@happysakiko1) 2015, 12月 20
3分未満を瞬間停電とか言うのは、マジなのか、ヨーロッパ。日本は 0.1秒でも大問題になるろころ沢山あるし、そもそも秒単位で切れたら、それは瞬間じゃなくて「完璧な停電」だろう。雷停電だって殆どが数分以内で戻る日本なんかだと話にならんぞ。
— 登坂(鳥坂) (@ttosaka) 2015, 12月 21
当方も何度かここに経験したよ的な感じで記事にしたことがある、瞬時に電圧が下がったり停電する瞬間停電。当方は瞬電と略しているし、そのような使い方が一般的ではあるのだけど、これの多い少ないは、インフラとしての電気事業の質の高低を差しはかる物差しの一つとなる。で、その瞬電について国際比較のグラフなどでは、ドイツは極めて優秀だとの話はよく見聞きする話。
しかし実のところ、ドイツでは官公庁への報告義務があるのは3分超の停電のみで、瞬電の類は報告されないから、結果として超優秀に見えてしまうとの指摘。これは初耳。
で、一応ソースを色々と探してみた次第。
「監督官庁である連邦系統規制庁が毎年公表する需要家1軒当たりの停電時間には3分以下の停電は含まれないことに対し、電圧変動に非常に敏感な技術システムを持つ多くの企業にとって、電力品質の低下は重大な問題である」一応、裏付け。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 12月 21
エネルギー白書2015 第3節主要国の「エネルギー安全保障」の変化 https://t.co/2roIB7QS3j より。確かにドイツは異様に低い値で高得点が得られています。 pic.twitter.com/03369kBZ3p
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 12月 21
他方、停電少ないドイツ、再生エネでも品質維持(スマートジャパン) https://t.co/eCK7MGt1RN でも停電の少なさを賛美していますが「ネットワーク庁は件数を集計する際、3分以上の停電を対象としている」とありますね pic.twitter.com/mBMaQauXhD
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 12月 21
2012/09 自然エネルギーで瞬間停電が増加したドイツに停電補償制度が創設される https://t.co/zIWUG4RZud
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 12月 21
官公庁の記録保全の対象外なのだから記録そのものがあるはずも無く。そうであればある部分だけで数字が第三者に展開されるので、優秀に見えるのも当然となる次第。熱中症による救急搬送者数なら、突然ある年から「入院した患者のみをカウントします」とすれば、その年から搬送者は激減するのが当然、でもそれは熱中症対策が急激に進んだことを意味しないって感じ。
OECDのデータでもよくある話なんだけど、同じような対象の数字の比較でも、国によってその数字を取得する基準が異なるので、単純比較ができないんだよね。注意書きにその旨がしっかりと書かれているか、あるいは値そのものが参考値程度の扱いとして認識すれば問題はないんだけど。
@Fuwarin これ、停電でなくてもコンマ何秒の電圧低下でも製造業では大事でプラスチックやフイルム系でペレットを溶かしながら型に流し込んだり、延ばしたりしてる最中に電圧低下されると製造中の製品は全廃棄で機械メンテでライン止まるという大損害なんですよねぇ...鉄鋼系も同じだと思われ。
— 小紫 真娃 (@Mark__LP) 2015, 12月 21
2010/12/08 四日市瞬時電圧低下事故 https://t.co/AjcYi34Izb 「0.07秒間の電圧低下が生じ」「東芝四日市工場 100億円前後の減収」など
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 12月 21
@Fuwarin さらに蛇足するなら、日本企業の内部保留ガー、設備投資ヲー、って批判が大きな的外れなのは、現在の生産ラインを稼働させながら新規の設備立ち上げする電力はどっから持ってくるのって話がねぇ...電力会社がこれ以上供給電力を増やせないって場合が多々あってなぁ...電力足りてない。
— 小紫 真娃 (@Mark__LP) 2015, 12月 21
@Fuwarin 昔は工場内に自前の火力発電所があったりしましたが、当然エコとかクリーンとかが叫ばれ出してから稼働できませんしねぇ...というか火力が安全って昭和の公害で未だにぜんそくに苦しんでる方々に土下座で謝れとしか。
— 小紫 真娃 (@Mark__LP) 2015, 12月 21
インフラってのは元々継続利用できることが前提となっている。しかも電気は昔と違い、ちょっとした断絶が大きなダメージとなることが多い。前世紀のように家庭の家電商品でテレビやアイロン、電球がある程度、企業でも蛍光灯や扇風機ぐらいだった時代とは違い、多くの商品が「電気が切れる」ってことは前提としていない状態で動いているのだから。ああ、この辺りは震災後の電力事情で色々と意識高い方々が語っておられた時にも論議された問題だな。
見方を変えれば3分云々ではなく、瞬間停電レベルでも電力の断絶を極力なくすことがインフラとしては求められているし、それが高品質の裏付けにもなるし、さらには今の技術では出力安定度の上で桁違いに低い自然系エネルギーを多分に使う、電力インフラに多用するってのは、リスクが高いわけだ。
「やればできる、必要性があれば技術が追い付く」って意見もあるけどね。その実証実験を全体でやる必要は無い。社会実験に社会全体が付き合う必要はないのだね。
@Fuwarin 弊社では「瞬停」と呼んでいます。体感的に停電を感じないくらいでも、例えば無菌充填ラインなんかは商業的無菌の保証根拠が取れなくなってしまうので(殺菌温度チャートが一瞬切れる)瞬停発生後強制的にライン洗浄が始まります。そんでライン立ち上げにそっから5時間...(T_T)
— ねっち (@kynetch) 2015, 12月 21
@Fuwarin 僕の周辺では瞬停(しゅんてい)って言いますねー
— がうがう (@demetari555) 2015, 12月 21
@Fuwarin 瞬停だと思ってました
— あいぼくん力挺「KANO」 (@aibokunn) 2015, 12月 21
やや蛇足になるけど「瞬間停電」の略名。当方は瞬電を使っていたけれど、瞬断、さらには瞬停という言い回しもあるとのこと。覚えておいて損はないかも。
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