世帯所得が低いと野菜摂取量や歯の本数が少ないという相関関係が

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厚生労働省が去年11月に行った調査によると、所得が600万円未満の世帯の人は、600万円以上の世帯の人と比較して、米やパンなど穀類の摂取量が多く、野菜や肉などの摂取量が少ないことが分かった。厚労省は、所得の低い世帯の人の方が食事に関する意識が低かったり、時間の余裕がなかったりして、手間のかからない主食中心の食事に偏っているのではないかとみている。

一次ソースは同日発表された【平成26年「国民健康・栄養調査」の結果】。毎年発表されている「国民健康・栄養調査」の速報的概況版で、今件はさらにそのリリースからすぱすぱ結果部分を抜いてコピペしたような感じの報道内容となっている。

で、一次ソースを見れば分かるのだけど、今件はあくまでも相関関係の話で、因果関係までの立証はされていない。とはいえ、ある程度の因果関係も容易に想起できる話ではある。

所得が少なくて食費が下がると、安物、出来あいもので、しかもシンプルなものを食する機会が増えてくる。結果として炭水化物や脂肪が増えるってパターンはよく聞くのだけど、それが数量的ながデータとして明らかになったってのは面白い。まぁ、菓子パンやらインスタントやらゴテゴテ油の外食で済まさざるを得なくなると、ビタミンなどは採りにくくなるわけで。


結局手間がかかったり保存がしにくかったり調理のハードルが高い、価格変動幅が大きいものの摂取が難しくなるので、摂取量が少なくなる。昔は魚や野菜が安めだったのでそれらが摂取の中心だったから肥満体系は少数派だったけど、今では肉の方が安いから......と考えると、色々と納得もいく。

ただ今件はまだ相関関係でしかないのに加え、詳細なデータも出ていない。低所得者層の区切りって、よく考えてみると高齢者が多いので、高齢者の趣味趣向が多分に反映されている可能性もある。一応現時点で公開されている値でも共分散分析をしているので、多分な偏りは無い、はずなんだけど。本当ならこの話はせめて、世代階層別に仕切り分けした上で、世帯年収別の動向を見なきゃいけない。年収と年齢、それぞれが食品摂取には大きく影響する要因だからね。


例えばこの図なんだけど、所得≒年収って、高齢者世帯は概して低めになる。年金を所得として計上するにしても、ほとんどの人は勤労世帯よりも下になる、つまり低所得層になる。でも、実際にはそこに蓄財部分の切り崩しを加え、生活費をまかなっているという図式がある。つまり世帯年収そのものが、生活上の予算では無い世帯が多分にありえるわけで。その辺も要因として考えねばならない。

今件に関しては色々と煽り的な記事が出てきそうな内容のデータなので、今のうちに釘を刺す意味で。

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このページは、不破雷蔵が2015年12月10日 07:26に書いた記事です。

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