新聞への軽減税率の件、やっぱりエゴイズムと見栄、矜持なのだろうね

| コメント(0)


軽減税率が世界各国で導入されているとはいえ、その実情は「やっぱり無い方がいいんじゃん? 手間かかるし混乱するし税収の意味でも損しているっぽいし」の方向で話が進んでいるのに、また「世界ガー」的な感じで強引感を覚える論理展開があちこちで成されていたりする。ぶっちゃけると政権第二党の某K党の主張がなければ、軽減税率そのものも弾き飛ばせる感はあるのだけど。だから間接的にはK党の責は極めて大きい、的な。

で、それはまた別の話として。その軽減税率に絡んで、新聞界隈が適用しろとの話が色々と出てきているので、再びまとめる形で。結局、新聞そのものの売上とかとは別のところ、見栄とか体面とか感情論とかプライドの面なのだろうなあ、と。

「海外では新聞は文化媒体として認められ、軽減税率の対象。これで日本が認められなければ世界のメディアから笑いものになり、自分らが恥をかく。先輩諸氏に申し訳が立たない」。まるで戦争末期における「英霊に申し訳が立たない」を思い起こさせるような。

何しろ仮に軽減税率が適用されなくても、値上げ幅は月4000円(税抜き)なら+80円(4000円×2%)。単発で買う人は、例えば140円が150円、150円が160円でも、買う時には買う。もちろん200円とか300円に上がれば躊躇するけどね。あの記事が読みたい、広告を保全したい、あの特集の全文に目を通したい、そんな「需要感が高い」時には価格の数十円位はハードルにならない。

新聞そのものの月80円の値上げで「現在」新聞を定期購読している、新聞に対して信奉心の高い人が辞めるとは考えにくい。むしろその他の商品の税率アップで可処分所得が圧迫され、新聞の優先順位が低いとして定期購読が打ち切られるパターンが圧倒的。結局、「値上げで部数が減るから新聞には軽減税率適応を」なら、本当は全体の引上げを止める動きを示さねばならないわけで。

それをせずに自ら新聞への適応のみを声高に叫んでいる実態は「我が身恋しや」としか見えないのだよね。なぜそうしないのか。そこには本当の意味での、公器、文化、報道としての姿勢を見出だす事は難しい。まぁ、この辺りは以前【「新聞に軽減税率を」の違和感と、その先にあるものと】で語られた話ではあるのだけど。

この辺の話をすると、必ず出てる反論が「新聞が無くなっても良いのか」とするもの。それも実の所問題のすり替えに過ぎない。「新聞が全部無くなれ」と誤認している・させられている感があるんだよね。いわゆる二元論的な詭弁法。勿論そうではなく、正当な競争原理に基づいた淘汰が成されるべきとの話なのだよね。雑誌もウェブニュースサイトも、普通の企業も新陳代謝は起きている。新聞社だけ永続保証的な扱いなのはおかしな話でしかない。


まさに指摘の通りで。「文化だから軽減税率対象だ」とうたうのなら、むしろ優先順位としては携帯電話や書籍の方が上なはず。その主張が出来ないのだから、やはり新聞は「我が身恋しや」であり、文化云々ってのは大義名分でしかないのだろうな。第一、2%のアップで滅ぶような文化なら、これまで4回ほど滅んでいることになるんだけどな。そもそも論として、新聞の部数減退が始まったのっていつからだったっけ? 前世紀末なんだよね。

税率動向がどのような結果になろうとも、文化事業を自称する業界とはとても思えないような、新聞界隈の行動は覚えおくべきだろうね。

関連記事             

コメントする

            
Powered by Movable Type 4.27-ja
Garbagenews.com

この記事について

このページは、不破雷蔵が2015年12月11日 07:50に書いた記事です。

ひとつ前の記事は「AppBankによる「元役員の業務上横領の疑い」との公知に関するあれこれ」です。

次の記事は「キャラメルコーンの新味は抹茶ミルク。美味しそうなんだけど......」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

* * * * * * * * * * * * * *


2021年6月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30