「国民健康・栄養調査結果の概要」に絡んでさらにもう一つ

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先日の【「平成26年国民健康・栄養調査結果の概要」で公表された「低所得世帯ほど野菜摂取量が少ない、主食に偏りがち」的な話の所感、もう一つ】で言及した「平成26年国民健康・栄養調査結果の概要」に係わる内容と厚労省からのコメントとされる話に関して。先の記事で止めようとは思っていたのだけど、さくりとまとまる形でのツイートをしたのと、関連する話として後ほど料理周りのあれこれを絡めるつもりもあるので、もう一つ、別の視点から。

厚労省は自前の管轄内で最大限の権限としてのコメントをしたまで。金銭的な方面から改善施策を云々ってのは経産省なり財務省、あるいは内閣府の仕事になるので越権行為となりかねないんだよね。そもそも今回報道で伝えられた話にしても、ウェブなどに文面として残る形で厚労省からでたものでなく、非公認レベルでの戯言でしかない。つまり公式見解ではないってこと。

加えて、国民健康・栄養調査も合わせ各官公庁の調査は、今後の各方面の施策の為の素材作りとしての調査であり、そこから何か総論・分析をするのはまた別のラインでの話。白書作成の際の裏付け、論拠まとめのための材料とか、諮問機関やら各種委員会の提言で用いる材料になるわけだ。だから各調査結果を見直せばわかると思うのだけど(特に内閣府の世論調査とかね)、このような結果が出ました云々ってのはあるけど、だからこうなる、このような状況が想定できる云々ってのは無い、あるいは最低限に留められている。それは次の段階での話だから。プラモデルを買ってきて、さあ作ろうかと箱を開けてみたら、すでに完成していたってのはおかしな話となる次第。

そして繰り返しになるけど、今回出たのはあくまでも概論レベルのデータ。

具体的なものは挙げないけれど、これに絡んで『なめとんのか』『防衛費5兆円も増やして』『社会保障費減らしてるのに』のような、感情論のみで憎悪心を拡散させたり、事実誤認を絡めて広げたりなど、データを悪用した煽動的な話が多数見られるのは、まことに遺憾。まるで震災後のデマの広げ方と同じにしか見えないのだよね。

そしてそのような感情論的な方向性、勢いが多分に先行してしまうと、問題の本質が見えてこなくなる。意識的、あるいは無意識を問わず、煽動する筋の思惑通りになる。これもまた、特に震災後のエネルギー関連の動きと同様の、非常に悲しいパターンでしかない。

「一過性のものだから、数日もすれば皆忘れるさ」と軽く考える人もいるかもしれない。けれど記録は残るし、後々まで都合の良いつまみ食いをされるリスクは生じるし、それに明確な記憶としては残らずとも、深層心理部分で、もやもやっとした感じでネガティブな印象は残る。これが蓄積されると、沸騰点が低いものとなってしまう。より容易に煽動されてしまうってことなんだよね。そしてそれこそが「思うツボ」な次第であるわけで。

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このページは、不破雷蔵が2015年12月16日 06:26に書いた記事です。

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