社会保障と人生の「両端」とベーシックインカムの新たなコンセプトと

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先日フィンランドの社会実験の前段階の研究が誤報的な形で伝えられたことで、注目を集めるようになったベーシックインカム(BI)なる制度。大よその社会保障を現金支払いで一括し、定期的に支払うことで生活の底支え、足場作りをするというもの。アメリカのフードスタンプ......今はSNAPか......の拡大・全対象版。

で、上記記事てはそれを日本でやってみたらどのようになるのかという試算。ではあるのだけど、コメントで色々とツッコミが入っている通り、かなり支離滅裂で、これはダメだ的な。


ただ、消費税周りの話で改めて高齢者優遇的措置が取られていることに対し、中堅層以下の層の不平不満が高まっているのも事実。国全体の財政問題も、突き詰めれば高齢者向け社会保障がネックとしかいいようがない。「種もみ食うな」で表現できる。

また指摘のある通り「将来は自分もなるのだから」の批判も筋違いで、むしろ「将来は自分も歳を取るのだから、未来に道筋をつけるために、将来へ向けて種まきをしたいのに」ということなんだよね。若年層向けの投資に重点を置くべきってのはさ。

で、この類の話になると大抵政治家が悪い、政府が悪いってことになるんだけど。その政治家を政治家足らしめている、行動原動力となるのは、票であり、当選確率であることを考えると、やはり若年層の投票率を上げることとか、選挙権そのもののいびつさに手を加えるしかないのかな、と。


で、先日触れた妄想的な試案「EBI(エッジ・ベーシック・インカム)」の話となる。要は全員にBIを配るから財源的に破たんするわけであって、サポートされるべき度合いが高い人に絞れば良い、と。元々多様な制度でサポートされているけれど、その制度をEBIで一括化する。18歳から63歳(68歳)までの現役世代は現状維持。

代わりに子供同様、高齢者も選挙権に関してはおさらばしてもらう。まぁ憲法規定との絡みもあるし、自動車免許証だってあの状況だから難しいとは思うのだけど(でも免許と違って「選挙権が無いと死ぬ、生活できない」ってことは無いんだよね。子供だって生きてるし)。

要は人生の両端にある場面では包括的なサポートをしましょう、でも判断力の面で現状とはマッチしない、ぶれている人も多分にいるので、選挙権については「ごめんなさい」と。子供と同じようなと考えても良い場面も多いからね。ただし、もちろん個人差でまだまだイケる人もいるだろうから、被選挙権についてはこれを維持させると。現行世代に尊敬される、支持されるような人物なら、歳は関係ないって話。

EBIの導入で社会保障周りの手続きは随分とすっきりする=官公庁のリソースも節約できる。お金が指針となり、市場での回転が加速されるので、経済も活性化する。なにより母子世帯・父子世帯も含めた子供へのサポートも明確化・強化できる。

特別会計周りもあわせ、そろばん勘定を色々とする必要はあるけれど、試算の価値はあると思うんだけどな。

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コメント(1)

参政権というのは煎じ詰めれば
税金の使い道を決めると言うことなので、
税を払っている人にだけ与える、
と言うことで良いのでは。。。

おや?明治時代に戻っちゃいました。

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この記事について

このページは、不破雷蔵が2015年12月19日 08:30に書いた記事です。

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