担当編集者が筆者に無断で原稿を改変していた事案

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2015年12月25日発売予定の角川文庫『からくり同心 景 黒い好敵手』(谷津矢車:著)におきまして、校正ゲラを確認中の谷津先生より、原稿の改変が行われているのではないかとご指摘を受けました。


これを受け編集部にて調査の結果、当初の原稿とは異なる箇所が多数にわたって確認され、担当編集者が谷津先生に無断で原稿を改変していたことが判明いたしました。またシリーズ第1巻『からくり同心 景』(2015年8月25日刊)につきましても、同様の改変があると確認いたしました。


今朝方第一報がちらりと目に留まり、色々と確認したところ公的リリースや報道文面、さらには筆者先生自身の事情説明まで出てきたので、まとめる形で。ツイートの際にコピペを誤ってしまったので2月になっているけれど、本当は本日12月25日に発売予定の角川文庫「からくり同心 景 黒い好敵手」に関して、筆者先生の原稿からダイナミック改変が無断で行われていることが判明したので、急遽販売中止......とはいえ、印刷物の販売の仕組みを考えると、すでに一部では早売りの形で出回っている可能性もゼロでは無く。いずれにしても、ドタバタ程度では済まない事態。リリースが出たのが24日で、発売予定は25日だからねえ。

編集担当が「やらかした」事案って先日も、勝手に同人誌原稿などを収録した案件を取り上げた記憶もあるんだけど、最近暴露される事態が増えてきた気がする。元々この程度の話は良くあって、それがネット時代となって筆者側も声を挙げることができるようになったので、公式な対応をせざるを得なくなったのか、それとも編集側の質が落ちているのか......比較は不可能なのでどちらかは分からないけれど。

ただ、セリフベースでの勝手な改ざんってのは結構見聞きする。それが誤字脱字や日本語的にマズイもの、差別表現などで問題のあるものならまだ仕方ないとしても、それを直したら意味が無いだろ、話がつながらなくなるってのもある。対象となる作品をしっかりと把握していれば、そのような修正はしないはずなんだけどな、的なものも、ね。


まぁ、編集の人も人間だから、すべて聖人ってわけではないので、「そういう」人もいるだろう。「OKもらってないけど通ると思います!ほぼ内定です!」って言ってそのまま作業進めさせようとしてくる」ってのは漫画ではなく、まったく別の界隈で同じことを経験しているので、くの字型の姿勢を見せながらうなづかざるを得ない。それに「連絡取れなくなる担当編集さん」もダイレクトに経験あり。編集部サイドでも消息がつかめなくなって、編集長と当方双方で頭を抱えた、なんて漫画的展開も含む。

百歩譲ってセリフの勝手な改変ならまだしも(もちろんそれも問題には違いない)、文面のダイナミックな改変ってのは、結局何が目的だったのだろうか。色々とパターンは想定できるけれど、いずれにしてもあまりよろしい話では無い。まだゲラを元に校正をしたら、その校正がほとんど直っていない状態で出版された、第二刷りで必ず直すからといわれたけれど二刷りにはならなかった、的な話の方がまだマシかな。

この類の話は、意図的でないと生じ得ないものだから、それを成してしまう対象を業界から排除できるように、積極的な情報発信が必要なんだろうなあ、と。

それと共に、「シリーズ第1巻『からくり同心 景』(2015年8月25日刊)につきましても、同様の改変があると確認いたしました」とあるけど、その時点で気が付かなかったのは惜しい......けど、忙しいから仕方ないのかもしれない。よもやダイナミックな改変がなされているとは夢にも思わなかっただろうし、普通はありえないからねえ。

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このページは、不破雷蔵が2015年12月25日 06:52に書いた記事です。

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